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救命救急医の年収はいくら?激務なのに平均が低い衝撃の理由と給与の実態を徹底まとめ

2026-06-03

「救命救急医ってドラマでも大活躍しているし、年収もかなり高いんじゃないの?」——そんなイメージを持っている人は多いはず。ところが調べてみると、実態はかなり違う。独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によれば、救命救急医(救急科医師)の平均年収は1,215.3万円で、なんと全診療科の医師平均1,261.1万円を下回り、12診療科中10位という結果が出ている。週54時間を超える長時間労働、月5回以上の宿直、日夜問わず飛び込んでくる重症患者への対応——そんな過酷な環境でも、給与水準は決して突出して高くはないのが現実だ。

この記事では、救命救急医の年収の全体像から、なぜ激務なのに年収が低くなりやすいのか、年収が二極化している背景、そして年収を上げるためにチェックすべきポイントまでを徹底的に掘り下げて解説する。救急専門医を目指している研修医から、転職を検討している現役の救命救急医、そして単純に医師の年収事情に興味がある人まで、幅広い読者に役立つ情報をまとめた。

この記事のポイント
✅ 救命救急医の平均年収は約1,215万円で、全診療科の中でも下位グループに位置する
✅ 救急医の年収は「1,000万円未満」と「1,500万円以上」に二極化している構造的な理由がある
✅ 激務なのに年収が低い背景には、若手比率の高さと地方の公立病院偏在がある
✅ 転職先の選び方次第で年収2,000万円超も現実的に狙えるレンジがある

救命救急医の年収と給与の実態

  1. 救命救急医の平均年収は約1,215万円で全診療科10位
  2. 救急医の年収は「低年収層」と「高年収層」に二極化している
  3. 他の診療科と比較すると救命救急医の年収は低い傾向がある
  4. 救命救急士と救命救急医の平均年収はまったく異なる
  5. 地域別・勤務先別で救命救急医の年収は大きく変わる
  6. 救命救急医の年収に対する満足度が突出して低い理由

救命救急医の平均年収は約1,215万円で全診療科10位

独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、救急科の医師の平均年収は1,215.3万円。全診療科の平均が1,261.1万円であるのに対して、救急科は約46万円下回っている。12の診療科グループ別に並べると、10番目という位置づけだ。

この数字だけを見ると「医師なのに低い」と感じる人もいるかもしれないが、一般的な会社員の平均年収と比べれば依然として高い水準にあることも事実だ。ただし問題は労働時間や業務の過酷さに対してのコストパフォーマンス。週54時間を超える平均労働時間、月5回以上の宿直が9割近くの救急医に課されている現実を踏まえると、「割に合わない」と感じる医師が多いのは当然かもしれない。

また、求人情報ベースで見ると数字は変わってくる。ドクタービジョンが2020年の掲載求人をもとに算出した求人ベースの平均年収では、救急科は1,546万円と労働政策研究機構の調査よりも高い数字が出ている。これは実際の求人の多くが「給与改善」を売りにしているため、求人市場の数字は現場の平均より高めに出やすい点を加味しておく必要がある。

「独立行政法人 労働政策研究・研修機構『勤務医の就労実態と意識に関する調査』によれば、救急医の平均年収は1,215.3万円となっています」 参考:https://www.doctor-vision.com/dv-plus/column/money/emergency.php

📊 救急科医師の平均年収(基本データ)

項目 数値
救急科の平均年収 1,215.3万円
全診療科の平均年収 1,261.1万円
全体との差 約▲46万円
診療科別ランキング 12科中10位
求人ベース平均(ドクタービジョン2020年) 約1,546万円
救急科医師の平均年齢 41.8歳

救急科の平均年齢が41.8歳と全診療科の49.9歳よりも8年も若いことは、年収が低くなる大きな要因のひとつ。年功序列的な要素の残る病院での勤務では、単純に若い医師が多い診療科は平均値が引き下がりやすい。


救急医の年収は「低年収層」と「高年収層」に二極化している

救命救急医の年収でとくに注目すべきは、平均値がそのまま「典型的な救急医の年収」を表していないという点だ。分布を見ると、明らかな二極化が進んでいる。

同じ調査によると、救急科で最も多い年収帯は「1,500〜2,000万円未満」で全体の25.0%。さらに「2,000万円以上」の医師も15.6%を占め、この2つを合わせると全体の40.6%もの救急医が年収1,500万円以上を得ている計算になる。

一方で、年収1,000万円に満たない医師が37.6%を占め、なかでも「300万円以上500万円未満」という医師も6.3%存在する。大学病院や公立病院でポストに縛られて働く若手・中堅と、都市部の私立病院や人材不足の地方で高額報酬を提示された経験豊富な医師との間で、収入差が大きく開いている状況だ。

📊 救急科医師の年収分布(主たる勤務先)

年収帯 割合
300万円未満 0.0%
300〜500万円未満 6.3%
500〜700万円未満 12.5%
700〜1,000万円未満 18.8%
1,000〜1,500万円未満 21.9%
1,500〜2,000万円未満 25.0%(最多)
2,000万円以上 15.6%

参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」https://medrt.com/doctor/contents/1883

この二極化の背景には勤務先の種類と地域差がある。都市部の民間病院では経験豊富な救急医を高額報酬で募集するケースが多い一方、地方の大学病院や公立の救命救急センターでは給与水準が公務員的な体系に縛られており、なかなか大幅な上昇が難しい構造になっている。転職市場では年収1,200万円〜2,000万円の幅で求人が出るケースが最も多く、専門医資格や指導医資格の有無が上限金額に大きく影響する傾向がある。


他の診療科と比較すると救命救急医の年収は低い傾向がある

同じ医師でも診療科によって年収には大きな差がある。救命救急医の1,215.3万円という平均年収を他の診療科と並べてみると、その位置づけがより明確になる。

脳神経外科の平均年収は1,480.3万円で、救急科より265万円も高い。産科・婦人科(1,466.3万円)、外科(1,374.2万円)、麻酔科(1,335.2万円)、整形外科(1,289.9万円)も救急科を大きく上回っている。さらに内科(1,247.4万円)、精神科(1,230.2万円)、小児科(1,220.5万円)にも下回られており、救急科の平均年収が相対的に低い水準にあることは明らかだ。

📊 診療科別 医師の平均年収ランキング

順位 診療科 平均年収
1位 脳神経外科 1,480.3万円
2位 産科・婦人科 1,466.3万円
3位 外科 1,374.2万円
4位 麻酔科 1,335.2万円
5位 整形外科 1,289.9万円
6位 呼吸器・消化器・循環器科 1,267.2万円
7位 内科 1,247.4万円
8位 精神科 1,230.2万円
9位 小児科 1,220.5万円
10位 救急科 1,215.3万円
11位 その他 1,171.5万円
12位 放射線科 1,103.3万円
眼科・耳鼻科・泌尿器等 1,078.7万円

※出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」をもとに作成 https://doctor.mynavi.jp/column/workstyle034/

この表を見ると、年収トップの脳神経外科と救急科の差は実に265万円にのぼる。高給与の上位診療科は手術件数に応じた出来高要素や、専門手技の独自性が評価されやすい傾向があるのに対し、救急科はあらゆる疾患に対応する総合的なスキルが求められるものの、特定の高額手技に特化していない分、給与体系で差がつきやすいという側面がある。ただしこれはあくまで平均の話であり、後述するように転職市場では年収2,000万円以上の求人も存在する。


救命救急士と救命救急医の平均年収はまったく異なる

「救命救急士の平均年収はいくら?」という疑問を持つ人も多い。結論から言うと、救命救急士(EMT)と救命救急医(救急科医師)はまったく異なる職種であり、年収水準も大きく異なる

救命救急士とは、救急車に乗り込んで現場での応急処置や搬送を担う「救急救命士」のことで、消防署などに勤務する医療系国家資格職だ。一方、救命救急医(救急科医師)は医師免許を持ち、病院で診断・治療を行う存在。同じ「救命救急」という言葉が使われていても、資格・役割・働き場所のすべてが異なる。

📊 救命救急士と救命救急医の主な違い

比較項目 救急救命士 救命救急医(救急科医師)
必要資格 救急救命士国家資格 医師免許+救急科専門医
主な勤務先 消防署・救急車 病院(救命救急センター等)
業務内容 搬送前の応急処置・搬送 診断・治療・集中治療
平均年収(目安) 400〜500万円前後 1,215万円〜1,500万円
業務の法的制限 医師の指示が必要な行為あり 独立して診断・治療可能

救急救命士の年収は一般的に400万円〜600万円程度(消防公務員としての給与体系による)とされており、救命救急医の平均年収とは約3倍近い差がある。混同しやすい呼称だが、担う役割の重さや必要な教育・訓練期間も大きく異なるため、年収差が生じるのは当然と言える。なお本記事では、医師免許を持つ「救急科医師(救命救急医)」に焦点を当てて解説している。


地域別・勤務先別で救命救急医の年収は大きく変わる

救命救急医の年収はどの地域・どの医療機関に勤めるかによって大きく変わる。求人情報ベースで見ると、その差は数百万円から場合によっては1,000万円以上にもなる。

ドクタービジョンが2020年の掲載求人を地域別に集計したデータによれば、救急医の平均年収が最も高かったのは愛媛県・高知県・徳島県で1,950万円、それに次ぐ奈良県が1,900万円となっており、地方ほど高い年収で医師を集めようとする傾向が見られる。医師の絶対数が少なく、救急対応に苦慮している地方の医療機関が「高給」で優秀な救急医を引き寄せようとしているわけだ。

📊 求人ベースで見る救急科医師の年収帯(リクルートドクターズキャリア調べ)

年収帯 全求人に占める割合
1,000万円〜1,200万円未満 44.97%(最多)
1,200万円〜1,400万円未満 24.86%
1,400万円〜1,600万円未満 11.1%
1,600万円以上 2.6%

参考:https://www.recruit-dc.co.jp/job_jokin_dept43/

求人を見ると「年収1,200万円〜2,000万円」という幅広い提示が多く、地方の一般病院や地域中核病院では年収2,000万円以上の案件も珍しくない。また北海道・東北エリアでは「1,400万円以上」の求人比率が23.5%に達しており、都市部よりも高額な案件が多い傾向がある。一方で都市部(例:大阪・東京)では1,000万円前後の求人も多く、競争が激しいぶん給与が抑えられやすい側面もある。


救命救急医の年収に対する満足度が突出して低い理由

「年収に不満がある」と答えた救命救急医の割合は55.5%——これは同調査の全診療科の中で突出して高い数字だ。全診療科平均では「不満足」が37.7%であるのに対して、救急科だけが55.5%と大幅に上回っている。「満足」と答えた救急医はわずか36.1%にとどまり、全体平均の40.3%をも下回っている。

「救急医の回答は満足36.1%、不満足55.5%となり、両者の割合が逆転しているのです」 出典:https://www.doctor-vision.com/dv-plus/column/money/emergency.php

この不満の原因は労働量と給与水準のバランスが崩れていることに集約される。以下のデータを並べると、その構造的問題が見えてくる。

📊 救命救急医の労働実態(まとめ)

労働指標 救急科の数値 全体平均との比較
週平均労働時間 54.0時間 全体46.6時間を大幅上回る
週60時間以上勤務 41.7%
週80時間以上勤務 11.1%
日直あり(月5回以上) 33.4%
宿直あり(月5回以上) 63.9%
職場の医師不足感あり 77.8% 全診療科で2番目に高い
疲労感あり 72.3%
睡眠不足感・健康不安あり 63.9%

これだけの過酷な労働環境にもかかわらず、平均年収は全診療科の下位というギャップが、多くの救急医に「割に合わない」という感覚を抱かせている。また若手医師の比率が高く、体力的・精神的に消耗して転科を選ぶ医師も少なくないため、経験豊富なベテランが育ちにくく、全体の平均年収を押し下げる悪循環が生じている。


救命救急医の働き方・キャリアと年収を上げる方法

  1. 救命救急医の仕事内容は4つの領域に大別される
  2. 救命救急医の医師数は全体のわずか1.2%で需要は高い
  3. 救急専門医の資格取得までのキャリアパス
  4. 転職で救命救急医が年収を上げるために確認すべきポイント
  5. 働き方改革で救命救急医の環境は少しずつ変わりつつある
  6. 高年収が狙える救命救急医の求人の特徴
  7. 総括:救命救急医の年収に関するまとめ

救命救急医の仕事内容は4つの領域に大別される

救命救急医(救急科医師)の業務は多岐にわたるが、大きく分けると①病院前救急医療・災害医療、②ER型救急、③専門的集中治療、④ICU管理・術後管理の4つの領域に整理できる。

病院前救急医療では、ドクターカーやドクターヘリに乗り込んで事故・災害の現場に直行し、搬送前から医療介入を行う。レントゲンも撮れない現場で重症度を見極め、適切な処置を施す高度な判断力が求められる。また大規模災害時にはトリアージ(重症度・緊急度の選別)を行い、限られた医療資源を最大限に活用して人命救助にあたる。

📋 救命救急医の主な業務領域

領域 主な業務内容 特徴
病院前救急医療 ドクターカー・ヘリ出動、現場処置 院内設備なしで判断が必要
災害医療 トリアージ、人命救助 自然災害・テロ等での対応
ER型救急 救急外来での初期対応・トリアージ 軽症〜重症まで幅広く対応
専門的集中治療 重症外傷、熱傷、敗血症、ICU管理 高度な専門スキルが必要

ER型救急は院内に搬送されてくる患者を受け入れ、重症度に応じて初期対応を行い専門科に引き継ぐ業務だ。脳卒中・心筋梗塞・外傷・薬物中毒・感染症と、ジャンルを問わずあらゆる急患を相手にするため「何でも診られる総合力」が問われる。その後、重症患者に対してはICUでの専門的集中治療が続き、多臓器不全や重度熱傷、播種性血管内凝固症候群(DIC)といった生命に直結する病態を管理する。


救命救急医の医師数は全体のわずか1.2%で需要は高い

厚生労働省「令和2年(2020年)医師・歯科医師・薬剤師統計」によれば、日本の医療施設に従事する医師数は323,700人。このうち救急科に所属する医師は3,950人で、全体の1.2%に過ぎない。社会的な役割の大きさを考えると、この比率の低さは驚くべき数字だ。

需要面でも、厚生労働省「必要医師数実態調査」によれば救急科の現員医師数は2,610.1人であり、常勤・非常勤を合わせて725.9人の増員が必要とされている。救急科の求人倍率は1.28倍で、全科平均の1.12倍を大きく上回り、リハビリテーション科(1.29倍)に次ぐ高水準だ。

📊 救急科医師の需給状況

指標 数値
全医師数(2020年) 323,700人
救急科医師数 3,950人(全体の1.2%)
必要増員数 725.9人
救急科の求人倍率 1.28倍(全科平均1.12倍)
職場の医師不足感あり 77.8%が実感

また救急医の平均年齢が41.8歳と若い点も特徴的で、全診療科で最も若い集団となっている。一度は救急科に入ったものの、過酷な勤務環境に体力・気力がついていかずに転科を選ぶ医師が一定数いることが影響している。ベテランが育ちにくく、絶対数も不足している——この現実が、救急医療体制の課題として長年指摘されている。


救急専門医の資格取得までのキャリアパス

救命救急医として働くためには、医師国家試験合格後に初期研修(2年間)、後期研修(3年間以上)を経て、日本救急医学会が認定する「救急科専門医」の資格を取得するというルートをたどるのが一般的だ。

初期研修期間中は全診療科をローテーションするが、救急部門に12週以上携わることが厚生労働省のガイドラインで定められているため、すべての医師が救急の現場を経験する。この経験をきっかけに救急科を専門に選ぶ医師も多い。

📋 救急科専門医になるまでのステップ

ステップ 期間 内容
医学部 6年間 医学・基礎医学の習得
医師国家試験合格 医師免許取得
初期臨床研修 2年間 全科ローテーション(救急12週以上)
後期研修(救急科) 3年間 専門的な救急医療の習得
救急科専門医試験 研修終了後 日本救急医学会認定
ベテラン医師へ 指導医・部長職等でさらに年収UP

他の診療科(脳神経外科・心臓血管外科など)で経験を積んでから転科してくる医師も多く、救急科は「他科からの転入者を積極的に受け入れる診療科」としても知られている。専門医の取得後は救急科専門医のほか、集中治療専門医(日本集中治療医学会認定)などのダブル資格が年収アップにつながるケースもある。


転職で救命救急医が年収を上げるために確認すべきポイント

救命救急医が転職によって年収を改善させるためには、単に「給与が高い病院を選ぶ」だけでなく、複数の観点から勤務先を見極めることが重要だ。以下のポイントを転職活動でしっかりチェックしておくことをおすすめする。

症例数・手術件数の確認 救急専門医の維持・取得には実務経験が必須。年間の救急搬送受け入れ件数や手術実施件数は、経験の積み重ねにも年収交渉にも影響する。

担当業務内容の確認 病院前救急(ドクターヘリ・カー)とER型救急では求められるスキルが異なる。自身のキャリア志向と業務内容が合っているかを確認しよう。

他科との連携体制 救急科が担う範囲は医療機関によって大きく異なる。他科が充実しているほど救急科の負担は分散され、働きやすさに直結する。

シフト制・オンコール体制 当直・宿直の頻度やシフトワーク導入の有無は、実質的な時間単価に直結する。月5回以上宿直がある環境と月2回の環境では、年収が同じでも実質的な報酬水準はまったく違う。

📊 転職先を選ぶ際の確認事項チェックリスト

確認項目 理由
年間救急搬送受け入れ件数 専門医維持・経験蓄積に必要
月あたりの当直・宿直回数 実質時給に直結
救急科の専任医師数 少ないほど負担が集中しやすい
他科(脳外・整形・心血管等)の充実度 救急科の業務範囲に影響
指導医・専門医取得実績 キャリアアップ環境の指標
社宅・住宅補助の有無 実質年収の底上げに有効
ドクターヘリ・カーの有無 病院前医療を希望する場合

参考:https://tenshoku.doctor-navi.jp/blog/20220819/3401/

求人市場では、一般病院での年収1,200万円〜1,800万円が多数を占める一方、地域中核病院や人材不足地域では年収2,000万円以上の求人も一定数存在する。鹿児島・沖縄・北海道などの地方では2,000万円〜3,000万円の案件も出ており、住宅手当や社宅込みで実質的な年収がさらに高くなるケースもある。


働き方改革で救命救急医の環境は少しずつ変わりつつある

長時間労働と給与水準のミスマッチという構造的問題を抱える救急医療だが、近年は少しずつ改善の動きが出ている。

シフトワーク制の導入は特に注目すべきトレンドだ。従来の「当直明けもそのまま日勤」という過酷な体制から脱却し、オンとオフを明確に分けて医師の健康を守る医療機関が増えている。オンとオフの切り替えができることで燃え尽き症候群を防ぎ、長期的に救急医として働き続けられる環境が整いやすくなる。

「業務上のミスを防ぐためにも、救急医のワークライフバランスを尊重するためにも、休むときにはしっかり休んでリフレッシュする、オンとオフを明確にした働き方が推奨されるようになっているのです」 出典:https://doctor.mynavi.jp/column/workstyle034/

日本救急医学会の「医師の働き方に関する特別委員会」は、救急科の労働環境と待遇改善を目標とした具体的な施策として、労務管理の徹底・タスクシフティングの導入・救急医療資源の適正利用啓発を推進している。タスクシフティングとは、医師が担ってきた業務の一部を看護師・医師事務作業補助者・臨床工学技士などに移すことで、医師の業務負担を減らす取り組みだ。

📋 救命救急医の働き方改革で進む取り組み

取り組み 期待される効果
シフトワーク制の導入 過労防止・長期就業の継続
タスクシフティング 医師の業務負担軽減
宿直回数の上限設定 健康維持・生産性向上
適切な時間外手当の支給 実質年収の底上げ
救急医療資源の適正利用啓発 軽症者の過剰来院抑制

給与水準の大幅な即時改善は難しいが、業務負担と給与水準のバランスが少しずつ改善されていけば、「激務なのに年収が低い」という問題も解消に向かっていく可能性がある。実際に、近年の求人を見ると「当直なし」「オンコールなし」「週4日勤務可」といった条件を提示しながら年収1,400万円〜1,800万円を保証する求人も増えており、働き方の柔軟性と収入を両立しやすい環境が整いつつある。


高年収が狙える救命救急医の求人の特徴

転職市場で年収2,000万円以上を狙える求人にはいくつかの共通点がある。求人情報を分析すると、以下のような条件が揃っている案件に高額オファーが集中していることがわかる。

地方・過疎エリアの中核病院は、人材確保のために破格の年収を提示するケースが多い。鹿児島県鹿屋市の求人では年収2,000万円〜3,000万円、長野県安曇野市では年収2,000万円、秋田県秋田市では年収1,850万円といった案件が実際に出ている。

📊 実際の高年収求人例(救命救急科)

勤務地 年収目安 特記事項
鹿児島県鹿屋市 2,000万〜3,000万円 週5.0〜5.5日
長野県安曇野市 〜2,000万円 当直なし
東京都足立区 1,600〜2,000万円 週4〜5日
埼玉県越谷市 1,600〜2,000万円 療養病院
大阪府堺市中区 1,800〜2,000万円
千葉県印西市 〜2,300万円 社宅相談可
新潟市(総合病院) 1,800〜2,200万円(救急科)

参考:https://www.recruit-dc.co.jp/job_jokin_dept43/、https://www.doctorcast.jp/full-time-jobs/result?q=0235-100012

また部長職・院長職・立ち上げポジションでの募集は年収交渉の余地が広い案件が多い。専門医資格・指導医資格・集中治療専門医資格のダブル取得者は、さらに条件が良くなるケースも多い。「住宅手当」「借り上げ社宅」「海外研修」「新幹線通勤補助」などの付帯条件を含めると、実質的な年収はさらに底上げできる可能性がある。


総括:救命救急医 年収のまとめ

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. 救命救急医の平均年収は約1,215万円で、全診療科12グループ中10位に位置している
  2. 全診療科の平均年収1,261.1万円を約46万円下回り、激務に対して相対的に低い評価となっている
  3. 年収分布は二極化しており、「1,500〜2,000万円未満」が最多(25%)、「2,000万円以上」も15.6%いる
  4. 一方で「年収1,000万円未満」の層も37.6%存在し、同じ救急医でも年収格差は大きい
  5. 救命救急士と救命救急医はまったく異なる職種であり、年収水準も約3倍の差がある
  6. 地方・過疎エリアの中核病院では年収2,000万円以上の求人も多く、地域差が大きい
  7. 救急医の週平均労働時間は54時間で、宿直月5回以上が63.9%と過酷な労働環境が続いている
  8. 給与への不満率は55.5%と全診療科で突出して高く、労働負荷と報酬のバランスが崩れている
  9. 救急科医師は全医師のわずか1.2%(約3,950人)で、慢性的な人手不足が続いている
  10. 救急専門医に加えて集中治療専門医などのダブル資格取得が年収アップに有効である
  11. 近年は働き方改革でシフトワーク制導入・タスクシフティングが広がり、環境改善が進んでいる
  12. 転職時は症例数・当直回数・他科との連携体制・社宅の有無など多角的に条件を確認することが重要である

調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト

  • https://doctor.mynavi.jp/column/workstyle034/
  • https://www.doctor-vision.com/dv-plus/column/money/emergency.php
  • https://medical-career.nikkeihr.co.jp/fulltime/emergency_icu/high_income/
  • https://medrt.com/doctor/contents/1883
  • https://www.recruit-dc.co.jp/job_jokin_dept43/
  • https://tenshoku.doctor-navi.jp/blog/20220819/3401/
  • https://www.dr-10.com/search_full/result/kamoku[]/4/workingsalary[]/2500/
  • https://www.doctorcast.jp/full-time-jobs/result?q=0235-100012&p=7
  • https://kyushu-mc.hosp.go.jp/profession/recruit_recruitment_data004.html
  • https://www.senmon-i.net/senmoni/list_16.html

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