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判事の年収は実際いくら?等級・年代・法曹三者まで丸ごとわかる完全ガイド

2026-06-02

「判事ってどのくらい稼いでいるの?」「判事補と判事は何が違うの?」──そんな疑問を持ってこのページを開いた方に向けて、法律のデータをもとに隅々まで徹底調査しました。判事(裁判官)の年収は、初任給こそ約540万円スタートですが、任官20年目には約1,380万円、最高裁判所長官に至っては約3,100万円まで到達する可能性があります。公務員のなかでも特に高い報酬水準で知られる裁判官の給与体系を、等級別・年代別にわかりやすくまとめています。

判事になるには国内最難関の司法試験を突破し、さらに司法修習での成績上位が求められるという、狭き門の職業です。その分、給与の安定性は他の職業の追随を許さないレベル。残業代は支給されませんが、法律で減額が禁じられた手厚い報酬体系と充実した福利厚生が、裁判官としてのキャリアを支えています。この記事では、判事補との違いや検察官・弁護士との年収比較まで、知りたい情報をまるっと解説します。

この記事のポイント
✅ 判事の平均年収は推定800万〜950万円。初任給(判事補12号)は約540万円からスタート
✅ 判事補と判事の最大の違いは「単独で裁判できるかどうか」と経験年数10年の壁
✅ 判事4号(任官約20年)で年収約1,380万円に到達。判事3号以上は選考制で出世競争が始まる
✅ 検察官とはほぼ同水準だが、弁護士とは安定性vs上限の関係で棲み分けが生じる

判事の年収と給与のしくみ

  1. 判事の年収は平均800万〜900万円ほど
  2. 判事の年収は「裁判官の報酬等に関する法律」で決まる
  3. 判事と判事補の違いは経験10年と権限にある
  4. 判事補の年収は任官1年目で約540万円からスタート
  5. 判事の等級別年収一覧:1号〜8号で大きく異なる
  6. 判事のボーナス(賞与)は年間4.6か月分支給される

判事の年収は平均800万〜900万円ほど

判事(裁判官)の平均年収は、推定で800万円〜950万円前後とされています。ただし、これはあくまで全裁判官を平均した目安であり、実際には任官1年目の約540万円から最高裁判所長官の約3,100万円まで非常に大きな幅があります。

日本人の平均年収が令和5年分で約460万円(国税庁「民間給与実態統計調査」)であることと比較すると、判事の報酬は明らかに高い水準にあります。特に任官後20年目に到達する判事4号の推定年収は約1,380万円に達し、40代半ばで一般的な大企業の役員クラスと肩を並べる計算になります。

「裁判所データブックによると、裁判官を含む法務従事者の平均年収は約950万円とされています」 (出典:https://column.itojuku.co.jp/shihou/hosou/saibankan-kyuryou/)

注意が必要なのは、裁判官には残業代・深夜手当・休日手当が一切支給されないという点です。これは「裁判官の報酬等に関する法律」第9条で明確に規定されており、夜間の判決起案や休日の令状発布に対する追加報酬はありません。裁判官の報酬はそもそも「職務と責任の特殊性」を踏まえた水準で設定されているため、残業代なしでもこの金額になっているという理解が正確です。

裁判官の生涯年収は、初任から定年まで40年間勤務した場合、約3億5,000万円〜4億円と試算されます(退職金除く)。一般的な大卒サラリーマンの生涯年収が約2億7,000万円とされていることと比較すると、1億円近い差があることになります。


判事の年収は「裁判官の報酬等に関する法律」で決まる

判事の給料は会社が独自に決めるものではなく、「裁判官の報酬等に関する法律」(昭和23年法律第75号)という法律の別表に、月額報酬が明確に記載されています。これは裁判官の独立性を守るためのしくみで、外部からの圧力によって給与を下げられることがないよう、憲法でも保障されています。

日本国憲法第80条第2項には、「下級裁判所の裁判官は、定期に相当額の報酬を受け、在任中、これを減額されることができない」と定められています。給与が法律で保障されているのは、裁判官が経済的な事情や外部の圧力に左右されることなく、公平な判決を下せる環境を守るためです。

「裁判官の月額報酬は、「裁判官の報酬等に関する法律」で区分と金額が定められています」 (出典:https://www.agaroot.jp/shiho/column/judge-annual-income/)

💡 報酬の3つの構成要素

  • ① 月額報酬:法律の別表で等級・区分ごとに規定された基本給にあたる部分
  • ② 賞与(ボーナス):期末手当+勤勉手当として年2回(6月・12月)支給
  • ③ 各種手当:地域手当・住宅手当・扶養手当・初任給調整手当など

この3つを合算したものが、実際に受け取る年収となります。報酬月額はいわゆる「基本給」に相当し、等級や職位が上がるたびに増加する仕組みになっています。任官後20年ほどは経験年数に従って平等に昇給していくのが通例であるため、若い時期に大きな個人差が生まれにくいのも特徴のひとつです。

🏛️ 裁判官の報酬月額(2025年現在・主要区分)

区分 報酬月額
最高裁判所長官 2,038,000円
最高裁判所判事 1,486,000円
東京高等裁判所長官 1,426,000円
その他の高等裁判所長官 1,321,000円
判事1号 1,191,000円
判事4号 829,000円
判事8号 526,000円
判事補1号 443,900円
判事補12号 265,300円

(出典:裁判官の報酬等に関する法律 / 裁判所データブック2025)


判事と判事補の違いは経験10年と権限にある

「判事」と「判事補」は名前が似ていますが、役割・権限・給与のすべてで大きな違いがあります。「判事 判事補 違い」は検索数も多い定番の疑問なので、ここでしっかり整理しておきましょう。

司法修習を終えて裁判官に任官されると、まず「判事補」という肩書きでキャリアがスタートします。判事補は言わば「見習い裁判官」のような立場で、原則として単独で裁判を行うことができません。最初の5年間は合議審(複数の裁判官による審理)にしか参加できず、裁判長になることも認められていません。

一方、判事補として10年の経験を積んだうえで任官を受けると、正式な「判事」となります。判事は単独で裁判を担当でき、裁判長を務めることも可能です。つまり「一人前の裁判官」として認められるのが、判事というポジションです。

📋 判事と判事補の主な違い一覧

比較項目 判事補 判事
任官時期 司法修習修了後すぐ 判事補として10年経験後
単独裁判 ❌ できない ✅ できる
裁判長 ❌ なれない ✅ なれる
配属先 地方裁判所・家庭裁判所 高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所
初任給(月額) 約265,300円+調整手当 約526,000円〜(判事8号)
推定年収 約540万円(12号) 約870万円〜(判事8号)

なお、例外として5年以上判事補を勤め、最高裁から指名を受けた場合に「特例判事補」として判事と同等の権限を持つことができます。また、現在はロースクール制度の導入により、実質的に判事補10号からキャリアがスタートする運用となっています。

💡 補足として、判事補の段階では「合議体に参加することで裁判の実務を学ぶ修行期間」という性格が強く、先輩判事のもとで経験を積みながら少しずつ一人立ちに近づいていく形になります。


判事補の年収は任官1年目で約540万円からスタート

判事補12号(実質的な初任給)の月額報酬は265,300円ですが、これに初任給調整手当(87,800円)が加算されるため、実際の月額は約353,100円になります。初任給調整手当とは、同期の弁護士との収入格差を解消するために設けられた手当で、判事補5号まで段階的に加算されます。

ボーナス(令和7年度は4.6か月分)を含めた推定年収は、約540万円です。

「判事補の(実質的な)初任給は月額約32万円、年額約537万円です」 (出典:https://www.agaroot.jp/shiho/column/judge-annual-income/)

これは一般的な大学院卒初任給(平均月額23.8万円・厚生労働省調査)と比較すると高い水準ですが、弁護士として有名法律事務所に就職した同期が初年度から700万〜1,000万円超を稼ぐケースと比べると、スタート時点では見劣りする部分があることも事実です。

📊 判事補の等級別推定年収一覧(2025年現在)

等級 報酬月額 初任給調整手当 月額合計 推定年収 経験年数目安
判事補12号 265,300円 87,800円 353,100円 約540万円 1年目
判事補10号 274,500円 75,100円 349,600円 約540万円 3年目
判事補8号 300,100円 54,100円 354,200円 約560万円 5年目
判事補6号 325,300円 31,800円 357,100円 約580万円 7年目
判事補4号 366,300円 なし 366,300円 約610万円 9年目
判事補3号 390,800円 なし 390,800円 約650万円 約10年目
判事補1号 443,900円 なし 443,900円 約740万円

(出典:裁判所データブック2025 / 裁判官の報酬等に関する法律) ※推定年収は報酬月額合計×12+賞与(4.6か月分)で算出。地域手当等は含まず。

判事補4号(任官9年目頃)から初任給調整手当がなくなりますが、その分だけ報酬月額そのものが上昇しているため、手取りが大幅に下がるわけではありません。


判事の等級別年収一覧:1号〜8号で大きく異なる

判事補として10年の経験を積むと判事に昇格します。このタイミングで報酬月額は大幅に引き上げられ、初年度(判事8号)の月額は約526,000円、ボーナスを含めた推定年収は約870万円に跳ね上がります。

判事補から判事への昇格は、「一人前の裁判官」として認められる重要なステップです。ここから先は、判事8号→判事7号→…と昇格を重ね、判事4号まではほぼ一律に昇給していきます。

📊 判事の等級別推定年収一覧(2025年現在)

等級 報酬月額 推定年収 経験年数目安
判事8号 526,000円 約870万円 11〜12年目
判事7号 584,000円 約970万円 13年目
判事6号 644,000円 約1,070万円 14〜15年目
判事5号 716,000円 約1,190万円 16〜18年目
判事4号 829,000円 約1,380万円 19〜23年目
判事3号 979,000円 約1,630万円 選考による
判事2号 1,049,000円 約1,740万円 選考による
判事1号 1,191,000円 約1,980万円 選考による

(出典:裁判所データブック2025 / 裁判所「裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」) ※推定年収は報酬月額×12+賞与(4.6か月分)で算出。地域手当等は含まず。

注目すべきは、判事4号まで(任官約20年)は一律昇給が保障されているという点です。40代半ばで年収約1,380万円に到達できる安定した報酬体系は、民間企業ではまず見られないレベルです。

ただし、判事3号以上への昇格は選考制となります。いわゆる「判事4号の壁」と呼ばれ、判事4号のまま定年を迎える裁判官も少なくないとされています。判事3号になると地方裁判所の裁判長に指名されることが多く、年収も1,500万円を超えるレベルに達します。


判事のボーナス(賞与)は年間4.6か月分支給される

裁判官のボーナスは、毎年6月と12月の年2回にわたって「期末手当」と「勤勉手当」として支給されます。令和7年度の年間支給月数は、判事補・判事クラスで4.6か月分です(高等裁判所長官以上は3.4か月分)。

「令和7年度の発表では3.45カ月分となっています。令和4年から令和5年にかけては減額傾向にありましたが、令和7年は少し増加しています」 (出典:https://www.agaroot.jp/shiho/column/judge-annual-income/)

国家公務員のボーナスは民間企業のボーナス支給状況を基礎として支給月額が定められており、一般の会社員と大きくかけ離れないよう調整されています。勤勉手当については勤務成績に応じて加算される部分もあります。

📊 判事クラスのボーナス試算(令和7年度・4.6か月分)

等級 報酬月額 ボーナス試算(4.6か月分)
判事補12号 約353,100円(調整手当込み) 約162万円
判事8号 526,000円 約242万円
判事4号 829,000円 約381万円
判事1号 1,191,000円 約548万円

一般の会社員全体のボーナス年間平均が約100万円程度とされていることと比べると、新人裁判官のボーナスでさえ一般平均を大きく上回っています。裁判官のボーナスは「民間の給与水準を参考に決める」という建付けになっているため、景気に連動して多少の増減はあるものの、大幅に削られることはないと考えられています。


判事の年収を左右する要素と法曹三者との比較

  1. 判事の年齢別年収目安:20代〜60代まで段階的に上がる
  2. 高等裁判所長官・最高裁判所長官まで出世すると年収は2,000万円超
  3. 判事の生涯年収は約3.5億〜4億円と試算される
  4. 判事と検察官の年収はほぼ同水準
  5. 判事と弁護士の年収は年齢によって逆転することがある
  6. 判事の福利厚生・手当は充実している
  7. 総括:判事の年収まとめ

判事の年齢別年収目安:20代〜60代まで段階的に上がる

裁判官のキャリアは年齢とともに着実にステップアップしていきます。司法試験の合格者平均年齢が約28歳前後であることを踏まえると、各年代の年収はおよそ次のように推移します。

📊 判事の年代別年収目安

年齢 等級目安 推定年収 備考
20代後半 判事補12号〜10号 約540万円 初任給調整手当あり
30代前半 判事補8号〜6号 約560万〜580万円 初任給調整手当が段階的に減少
30代後半 判事補3号〜1号 約650万〜740万円 判事補の上位等級
40代前半 判事7号〜6号 約970万〜1,070万円 判事昇格後の成長期
40代後半 判事5号〜4号 約1,190万〜1,380万円 一律昇給の到達点
50代以降 判事3号以上 約1,630万円〜 選考昇格が必要

(出典:https://column.itojuku.co.jp/shihou/hosou/saibankan-kyuryou/ をもとに整理)

20代の年収は一般的な大企業の初任給と大差ない水準ですが、30代で急速に差が開き始め、40代では大企業役員クラスと肩を並べる水準に達します。「最初は安い」というのは事実ですが、20年一律昇給という強力な保証がついているため、中長期的にはきわめて安定したキャリアといえます。

30代で年収が600万〜700万円台というのは、同世代の弁護士(特に大手事務所)と比べると低く見えることもあります。しかし、判事補時代の約10年を「安定した昇給が保障された修行期間」と捉えると、一概に損とは言い切れないでしょう。

60代以降については、高等裁判所長官や最高裁判所判事といった上位ポストに就いた場合に年収が2,000万円を大きく超え、最高裁長官であれば約3,100万円という破格の水準に達します。ただし、これらのポストに就ける裁判官はごく一握りであることは念頭に置いておく必要があります。


高等裁判所長官・最高裁判所長官まで出世すると年収は2,000万円超

判事1号を超えてさらに出世を重ねると、年収は一気に2,000万円の大台を突破します。全国に8か所ある高等裁判所のトップが「高等裁判所長官」であり、そのポストに就いた場合の年収水準を見てみましょう。

📊 上位職の月額報酬・推定年収(2025年現在)

区分 報酬月額 推定年収(ボーナス3.4か月分)
その他の高等裁判所長官 1,321,000円 約2,000万円
東京高等裁判所長官 1,426,000円 約2,200万円
最高裁判所判事 1,486,000円 約2,300万円
最高裁判所長官 2,038,000円 約3,100万円

(出典:裁判所データブック2025 / 裁判官の報酬等に関する法律)

特に最高裁判所長官は「三権の長」のひとりであり、その報酬月額は約203万円、推定年収は約3,100万円にのぼります。これは内閣総理大臣と同等の水準です。

高等裁判所長官になるためには、判事の任官期間が20年以上必要で、地方裁判所長または家庭裁判所長の職を経なければなりません。現在の各高等裁判所長官の平均任官年は1986年前後(裁判官歴約37〜38年)とされており、まさに裁判官キャリアの集大成とも言えるポジションです。

最高裁判所は長官1名と判事14名の計15名で構成されています。最高裁判所判事は内閣によって任命され、天皇の認証を受けます。法曹以外から任命されるケースもありますが、少なくとも10名は10年以上の裁判官経験者または20年以上の法律専門家経験を持つ者でなければならないとされています。


判事の生涯年収は約3.5億〜4億円と試算される

裁判官の生涯年収は、初任から定年まで40年間勤務した場合、約3億5,000万円〜4億円と試算されます(退職金は除く)。退職金を含めると約4億〜4億5,000万円に達するという試算もあります。

「裁判官の生涯年収(生涯賃金)は、初めて任官されてから定年まで40年間勤め上げたとすると、3億9,000万円ほどと推定されます」 (出典:https://no-limit.careers/guide/9971/)

一般的な大卒サラリーマンが正社員をフルタイムで続けた場合の生涯年収(退職金除く)は、男性で約2億7,000万円、女性で約2億2,000万円(労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2020」)とされています。裁判官との差は1億円以上にのぼります。

💡 生涯年収比較まとめ

職業・属性 生涯年収の目安(退職金除く) 退職金の目安
裁判官(判事4号定年退官想定) 約3.5〜4億円 約4,500万円
大卒サラリーマン(男性) 約2億7,000万円 企業により異なる
大卒サラリーマン(女性) 約2億2,000万円 企業により異なる

なお、裁判所を定年後に公証人になる場合には、生涯賃金が7億円に達するという試算も一部の情報源では紹介されています。ただしこれはおそらく相当な出世コースを歩んだ場合の試算であり、すべての裁判官に当てはまるわけではありません。

退職金については、判事4号(報酬月額829,000円)で定年退官した場合、勤続40年の支給率(定年退官:約47.7か月分)を適用すると退職手当の基本額が約3,950万円と試算され、調整額を合わせると約4,500万円前後になると推計されています(出典:人事院「退職手当制度の概要」)。


判事と検察官の年収はほぼ同水準

判事と検察官は、どちらも司法試験・司法修習を突破した「法曹三者」の一角です。気になる年収を比較してみると、初任給から中堅クラスまで、報酬体系はほぼ横並びであることがわかります。

検察官の報酬は「検察官の俸給等に関する法律」で定められており、新任の「検事20号」の俸給月額は265,300円と、新任裁判官(判事補12号)とまったく同額です。

📊 裁判官と検察官の年収比較(キャリア段階別)

キャリア段階 裁判官(判事) 検察官(検事) 比較
新任(1年目) 約540万円(判事補12号) 約540万円(検事20号) 同額
10年目 約650万円(判事補3号) 約680万円(検事10号) ほぼ同水準
20年目 約1,380万円(判事4号) 約1,380万円(検事4号) 同額
トップ 約3,100万円(最高裁長官) 約2,300万円(検事総長) 裁判官が上位

(出典:https://column.itojuku.co.jp/shihou/hosou/saibankan-kyuryou/ をもとに整理)

唯一の差は「トップ人事のみ」です。最高裁判所長官(推定年収約3,100万円)は検事総長(推定年収約2,300万円)を大きく上回ります。これは三権分立上の位置づけの違いを反映したものです。

実際の職場環境・仕事内容・転勤頻度などは大きく異なりますが、純粋な年収面だけで見た場合、判事と検察官の優劣はほぼないといえます。どちらの職業を選ぶかは、法廷で判決を下す仕事(裁判官)か、犯罪を追及して起訴する仕事(検察官)か、という「仕事の内容・やりがい」の違いで判断するのが合理的でしょう。


判事と弁護士の年収は年齢によって逆転することがある

弁護士は民間の職業であるため、法律による報酬の定めはなく、年収の幅がきわめて広いです。日本弁護士連合会の調査によると、弁護士の平均収入は約1,000万円、中央値は約800万円とされています。

📊 裁判官・弁護士の年収比較(年代別・目安)

年代 裁判官(判事補→判事) 弁護士(目安) 傾向
20代後半〜30代前半 約540万〜580万円 約350万〜1,000万円以上 弁護士が高くなりやすい
30代後半〜40代前半 約650万〜1,070万円 約700万〜1,200万円 ほぼ同水準
40代後半〜50代 約1,190万〜1,630万円 約600万〜1,500万円(個人差大) 裁判官が安定的に高くなりやすい
最高到達点 約3,100万円(最高裁長官) 1億円超も可能 上限は弁護士が高い

若い時期に差が開く理由のひとつは、大手法律事務所(五大法律事務所など)では入所1年目から年収1,000万円超が見込めるケースがあるためです。一方、個人事務所の勤務弁護士では年収400万〜600万円台にとどまるケースもあり、弁護士の年収格差はきわめて大きいです。

年齢が上がると、「一律昇給が保障された」裁判官が安定的に高い水準を維持する傾向があります。弁護士でパートナーに昇格できるのはごく一握りであり、そこに至らなければ年収が頭打ちになるリスクも存在します。

法曹三者の年収を選ぶポイント

  • 安定した年収を重視するなら:裁判官・検察官(法律で昇給が保障されている)
  • 年収の上限を追求したいなら:弁護士(億超えも不可能ではないが個人差が大きい)
  • 社会的な使命感を重視するなら:いずれの職業も社会的意義がある

最も稼げる可能性があるのは弁護士ですが、最もリスクなく安定した高収入を得られるのが判事・裁判官、というのが法曹三者の年収に関する基本的な構図といえます。


判事の福利厚生・手当は充実している

年収の数字だけではわからない、裁判官の「総合的な待遇」を確認するうえで欠かせないのが福利厚生と手当の充実度です。

📋 裁判官の主な手当一覧

手当の種類 内容 備考
初任給調整手当 弁護士との収入格差を解消するための手当 判事補5号まで適用
地域手当 勤務地による物価差を是正する手当 東京特別区20%、その他4〜16%
広域異動手当 人事異動で広域移動が生じた場合に支給 裁判官は定期的な異動あり
扶養手当 扶養家族がいる場合に支給 国家公務員共通
住居手当 家賃負担を補助する手当 官舎利用時は適用外の場合あり

特に地域手当は、東京特別区では報酬月額の20%が上乗せされます。判事8号(526,000円)が東京の裁判所に勤務する場合、地域手当として105,200円が追加されます。

また、裁判官の福利厚生には以下のような充実した制度があります:

裁判官宿舎:全国各地に整備された官舎を利用可能。赴任先での住居費負担を大幅に軽減 ✅ 国家公務員共済組合:医療費の自己負担軽減や各種給付を受けられる(弁護士が国民健康保険になりやすいことと比較して有利) ✅ 年金:厚生年金+年金払い退職給付の対象(弁護士が国民年金のみになるケースと比較して老後の年金額が大きく異なる) ✅ 育児休業・介護休暇:年次有給休暇に加え、育児・介護関連の休暇制度も整備 ✅ 退職金:国家公務員退職手当法の適用。判事4号定年退官の場合で約4,500万円前後と試算

年収の数字だけを比較する場合に見落としがちな、退職金・年金・住宅を含めた「生涯での総合的な経済価値」は、法曹三者の中で裁判官が最も安定しているという評価がされています。

裁判官には残業代がついてこない分、「時間当たりの単価」が相対的に低く感じられる局面もあるでしょう。しかし、これらの手当や福利厚生を含めたトータルの待遇で考えると、非常に恵まれた職業環境にあることは間違いありません。


総括:判事の年収まとめ

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. 判事(裁判官)の平均年収は推定800万〜950万円程度であり、日本人の平均年収(約460万円)を大きく上回る
  2. 判事の報酬は「裁判官の報酬等に関する法律」で月額が明確に規定されており、憲法上、在任中に減額されることはない
  3. 判事補(見習い裁判官)は司法修習修了後すぐに任官され、単独裁判・裁判長への就任はできない
  4. 判事と判事補の最大の違いは「単独で裁判を行えるかどうか」で、判事補10年経験後に判事へ昇格する
  5. 判事補12号(実質的な初任給)の推定年収は約540万円で、初任給調整手当込みで月額約353,100円からスタートする
  6. 判事8号(任官11〜12年目)の推定年収は約870万円、判事4号(任官約20年)で約1,380万円に達する
  7. 判事4号までは一律昇給が保障されているが、判事3号以上は選考制となり「判事4号の壁」が存在する
  8. ボーナス(期末手当・勤勉手当)は年2回(6月・12月)で、令和7年度は4.6か月分(判事補・判事クラス)
  9. 検察官との年収はほぼ同水準だが、弁護士とは「安定性vs上限の高さ」で棲み分けが生じる
  10. 裁判官の生涯年収は約3.5億〜4億円と試算されており、退職金を含めると約4億〜4.5億円に達する
  11. 地域手当・住居手当・扶養手当・裁判官宿舎・共済組合・充実した年金制度など、福利厚生面でも法曹三者の中でトップクラスの安定性を誇る
  12. 高等裁判所長官の推定年収は約2,000万〜2,200万円、最高裁判所長官の推定年収は約3,100万円で内閣総理大臣と同等の水準である

調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト

  • https://www.agaroot.jp/shiho/column/judge-annual-income/
  • https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000075
  • https://www.shikaku-square.com/media/yobishiken/001-annual-income-judge/
  • https://no-limit.careers/guide/9971/
  • https://shingakunet.com/bunnya/w0001/x0019/nenshu/
  • https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/2024/databook2024/db2024_103.pdf
  • https://column.itojuku.co.jp/shihou/hosou/saibankan-kyuryou/
  • https://jp.indeed.com/career-advice/careers/what-does-a-judge-do
  • https://studying.jp/shihou/about-more/salary-lawyer.html
  • https://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/job/list/003/income/

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