かどや製油の年収・働き方の全体像|ごま油トップ企業の中身を見る
この章ではかどや製油という会社の正体と、給料・勤続・育休といった「働く現場の数字」をまとめて確認します。新卒の就活生にも、中途で入る方にも、まず押さえてほしい基礎データです。
かどや製油はどんな会社?ごま油国内トップブランドの正体
かどや製油は、香川県の小豆島を発祥とするごま油の専門メーカーです。家庭の台所でおなじみの「金印純正ごま油」や「銀印純正ごま油」、しゃぶしゃぶ屋さんで卓上に置かれているような業務用のごま油を製造しています。
会社の歴史は160年以上。日本でごま油といえばまず名前が挙がるブランドのひとつで、「ごま油ひと筋」で長く生きてきた、いわばごまの専門商社のような立ち位置です。
子会社にはすりごま・ねりごま等を扱うカタギ食品株式会社があり、グループ全体で「ごま油」と「食品ごま」の2本柱を回しています。主要株主には三菱商事グループが入っており、商社のネットワークを活かした原料調達・海外展開がしやすい体制です。
かどや製油の規模感|売上約394億円・従業員約545人の存在感
かどや製油の売上はグループ全体で年間約394億円、従業員は約545人です。1人あたり年間約7,200万円分の売上を稼いでいる計算で、食料品メーカーとしては効率の良い水準といえます。
545人という規模は、中堅の中学校の全校生徒数とほぼ同じ。「ひとつの体育館に入れるくらいの会社が、日本中の食卓と海外のレストランに届くごま油を作り続けている」と思うと、意外とコンパクトな組織です。
工場は香川県小豆島、千葉県袖ケ浦、子会社のある大阪府寝屋川の3拠点。災害時のリスクを散らすために、あえて拠点を分けています。本社・工場の場所が知りたい方には、勤務地として小豆島か関東圏かが大きな選択肢になります。
かどや製油の年収はいくら?平均約716万円・初任給・ボーナスの実態
かどや製油の平均年収は約716万円。社員の平均年齢は42.6歳で、いわゆる「働き盛りの中堅社員」が中心の年齢構成です。
上場企業全体の平均年収はおおむね600万円台と言われており、かどや製油はそれより約100万円高い位置にいます。家計でいうと、月の手取りで45万円前後がイメージしやすい水準。住宅ローンを組んでも教育費や貯蓄に余裕を持たせやすい給料です。
ただし、初任給の金額、年代別の年収カーブ、ボーナスの月数といった細かい内訳は、会社が公表している情報では確認できません。「かどや製油 初任給」「かどや製油 ボーナス いくら」と検索しても、公式の数字としては出てこないのが現状です。具体額は、新卒向けの会社説明会や、転職エージェント経由の求人票で確認するのが確実です。
かどや製油の働き方|離職率・勤続年数・育休・福利厚生のデータ
平均勤続年数は15.3年。新卒で入った22歳の方が、係長や課長クラスになる年齢まで在籍するイメージで、「腰を据えて長く働く文化」が数字に表れています。離職率そのものの数字は公表されていませんが、勤続15年超は食料品業界の中でも長い方で、定着率は高いと推測できます。
男性育休取得率は80%。10人の父親社員のうち8人が育休を取っている計算で、子育て期の働き方を職場全体で受け止めている雰囲気がうかがえます。
女性管理職比率は10.6%。10人の管理職のうち約1人が女性で、製造業の中では平均的な水準です。役員に占める女性は1名(全体の7.6%)で、上位職への登用はこれからの課題といえます。
残業時間や有給取得率、福利厚生の細目(住宅手当・家族手当など)は、会社が公表している情報では数字として確認できません。
かどや製油はホワイト企業?それとも厳しめ?
「結局のところ、ホワイトなの?」という問いに公表データだけで答えると、長く働けて育休も取れている点はかなり好印象です。一方で、残業や有給の実数値は外からは見えません。
ちょっとした補足: 食料品メーカーの工場勤務は、365日動く生産ラインを支える交代制の現場もあります。本社部門と工場勤務では働き方が大きく違う可能性があり、配属によって印象が変わる業界です。
かどや製油の年収から考える将来性と入社判断|米国・新事業・独禁法問題
ここからは「これから10年、この会社で働く価値があるか」を見ていきます。業績の伸び、新しい挑戦、そして避けて通れない注意点をセットで確認しましょう。
かどや製油の業績は伸びている?売上・利益の最新動向
直近の売上はグループ全体で約394億円(前期から約37億円増)、利益は約32億円(本業のもうけ)。最終的に手元に残った利益は約24億円で、前の年から約1億円のプラスでした。売上は順調に伸びていて、利益はほぼ横ばいというのが直近の姿です。
伸びの背景には、家庭用ごま油が好調だったことと、米国向けの輸出が増えたことがあります。一方で、ごまの原料代の高騰と円安が原価を押し上げ、利益の伸びは抑えられました。値上げの浸透が今後の利益回復の鍵になります。
本業のもうけ率は売上に対して約8%。食料品業界の平均(約5.46%)を3ポイントほど上回っており、「ごま油という強いブランドで価格を維持できる会社」だと数字が示しています。
かどや製油の将来性|米国市場・脱脂ごま活用・新規事業の方向性
かどや製油は2028年度までの中期経営計画で、いくつかの成長テーマを掲げています。柱は次の5つです。
- ファンの声を起点にした新商品・販路の開発
- ごま油を絞った後の「脱脂ごま」に含まれるタンパク質を新たな収益の柱に
- 米国市場での更なる成長(現地拠点の設置も検討中)
- デジタル化による生産効率アップ
- ごま原料の産地(アフリカ等)の社会課題への取り組み
なかでも面白いのが米国戦略です。「ごま油を、しょうゆと同じくらい世界の食卓で当たり前の調味料にする」という大きな旗を掲げています。日本の人口減少が進むなか、海外で稼ぐ仕組みを作れるかが将来性の最大の見どころです。
かどや製油の入社前に知っておきたい3つの注意点
会社自身がリスクとして挙げている内容を整理すると、おもに3つです。
ひとつ目は、原料のごま種子をほぼ全量を海外に頼っていること。アフリカや南米の天候・政情、円安の影響を受けやすく、原料が値上がりすると利益を圧迫します。
ふたつ目は、国内市場の縮小。日本の人口減少と少子高齢化で、家庭向けごま油の市場はゆっくり縮みます。だからこそ米国市場や新事業に賭けているわけですが、計画どおりに進むかは未知数です。
みっつ目は、2025年5月に公正取引委員会から受けた排除措置命令と課徴金命令(独占禁止法違反の認定)です。会社は事実認定について見解の相違があるとして、東京地方裁判所に取消訴訟を起こしています。会社は「業績への影響は軽微」としていますが、ブランドイメージやお客様との関係への影響は気にしておきたい点です。
かどや製油はどんな人に向く?新卒・中途それぞれの相性
新卒の方に向くのは、「ひとつの素材を極めるものづくり」に魅力を感じるタイプ。160年以上ごま一筋でやってきた会社なので、流行り廃りより、品質や産地と長く付き合う仕事が肌に合う人が活きそうです。
中途の方に向くのは、海外事業やデジタル化、新規事業開発の経験がある方。三菱商事や三井物産出身の役員が多く、商社系のスピード感に慣れている人は意思決定の流れに馴染みやすいでしょう。
逆に、「短期で大きく給料を上げたい」「成果次第で20代から年収1,000万円超を狙いたい」というタイプには、平均勤続15年超の安定志向の社風はやや物足りないかもしれません。腰を据えてキャリアを積みたい人向きの会社です。
総括:かどや製油の年収・働き方・将来性まとめ
「かどや製油 年収」を軸に整理すると、給料は上場企業平均より100万円ほど高い約716万円、勤続は15年超、男性育休は80%取得と、働き続ける土台がしっかり整った会社です。
足元の業績は売上が伸びる一方、原料高で利益は横ばい。米国市場と新事業が今後の伸びしろを決めます。2025年の独禁法問題という不確実性は残るものの、本業のもうけ率は業界平均を上回り、財務体力(借金の少なさを示す比率)も81%と高水準で、しばらくぐらつく会社ではありません。
新卒の方は会社説明会で初任給・採用人数・倍率の最新情報を、中途の方は転職エージェント経由で職種別の年収レンジを確認すると、ミスマッチを避けやすくなります。



