イートアンドの年収はどう見える?大阪王将を軸にした働き方の全体像
ここではイートアンドが何で稼いでいる会社なのか、給料はいくらか、どんな職場の空気なのかを順に見ていきます。冷凍餃子の袋をスーパーで見たことはあっても、運営会社の実態を知っている人は意外と少ないはずです。
イートアンドはどんな会社?「大阪王将」を作って広げている食の総合企業
イートアンドホールディングスは、大阪発祥の中華料理「大阪王将」を軸に、冷凍食品と外食チェーンを両輪で動かしている会社です。スーパーで売っている冷凍餃子と、街で見かける赤い看板の中華料理店、両方を運営している姿をイメージするとわかりやすいです。
主力ブランドは「大阪王将」のほか、ベーカリー・カフェの「R Baker」、ラーメン業態の「よってこや」「太陽のトマト麺」、たんめん業態の「一品香」など。冷凍餃子だけの会社ではなく、街の食卓のいくつかの場面を切り取って提供しているイメージです。
国内の店舗数は2025年2月末で469店、うち海外は台湾・上海・北米などに33店。冷凍食品工場は群馬・大阪・岡山に持ち、餃子という主力商品を縦に深掘りしてきた歴史のある会社です。
イートアンドの規模感|売上約373億円・従業員約558人の実感
イートアンドの売上は約373億円、グループ全体の従業員はおよそ558人です。売上は地方都市の小さな市の年間予算と同じくらいで、人数は中規模の高校が1〜2校分ほど。食品メーカーとしては中堅、外食企業としても上位とは言いがたい、ちょうど街の真ん中にいるサイズ感です。
ただし、店舗数は469店。これは関連会社や加盟店オーナーも含めた数なので、現場で「大阪王将」の看板を支えている人の数を含めると、影響力はこの558人という数字以上に広がります。
ちょっとした補足: 「558人」というのは会社が公表している情報に出てくる従業員数の数字です。グループ全体の冷凍食品工場や直営店スタッフも含むため、本社デスクワークだけの人数ではありません。
イートアンドの年収はいくら?平均約654万円の中身
平均年収は約654万円。日本の上場企業の平均(600万円台前半)をわずかに上回り、外食・食品業界のなかでは健闘している水準と言えます。年収約654万円なら、月の手取りで35万〜40万円ほど。家計でいうと、賃貸の住居費を出しても少しの旅行や貯蓄を回せる余裕がある、いわゆる「ふつうに暮らせる」ラインのちょっと上です。
ただ、外食産業は店舗スタッフから本社専門職まで職種の幅が広く、職種別や年代別の内訳は会社が公表している情報では確認できません。30歳でいくら、課長でいくら、といった具体的な数字は公表されていないため、本社・工場・店舗のどこに入るかで体感は変わります。
新卒の初任給についても会社が公表している情報には記載がなく、別途、就職情報サイトや採用ページを確認する必要があります。
イートアンドの働き方|勤続5.1年・男性育休100%・女性管理職46.7%の意味
働き方の数字で目を引くのは3つです。
- 平均勤続年数: 5.1年
- 男性育休取得率: 100.0%
- 女性管理職比率: 46.7%
平均勤続5.1年というのは、外食を主軸とする会社としては自然な水準で、新卒で入って20年同じ職場、という業界ではないことを示しています。店長として店舗を回す若手、本社で商品企画する中堅、というように、人の入れ替わりがある程度想定されている職場と読めます。
一方で、男性育休取得率100%、女性管理職比率46.7%という数字は突出しています。食品・外食業界の平均と比べると相当に進んでおり、性別や家庭の事情で動きづらいということが起きにくい職場であることがうかがえます。
イートアンドの評判は「ホワイト」?数字から見る職場の感触
会社が公表している情報には残業時間や有給取得率の数字までは載っていないため、口コミサイトのような細かい体感までは確認できません。ただ、男性育休100%・女性管理職46.7%という数字は、制度を作るだけでなく実際に使われているという証拠でもあります。
一方で、平均勤続5.1年という数字は、ベテランが20年腰を据えるタイプの会社ではないことも示しています。腰を据えて何十年と同じ会社で働きたい人より、5〜10年のなかで店長や本社ポジションに動きながら成長していくスタイルが合うかもしれません。
イートアンドの将来性は?大阪王将・海外展開・新工場が描く次の10年
ここからは、業績の推移と、これからイートアンドが何に力を入れていくのかを見ていきます。冷凍餃子業界も外食業界も、いま大きな変化のなかにいます。
イートアンドの業績は伸びてる?売上373億円・営業利益10.9億円の実感
直近の決算では、売上373億円(前年比3.9%増)、本業のもうけにあたる営業利益は10.9億円(前年比2.9%増)。会社自身も「上場後過去最高益」とアピールしている通り、コツコツと上向きの軌道にあります。
ただ、内訳を見ると景色は単純ではありません。
- 食品事業: 売上214億円(前年比0.1%増)、利益11.3億円(前年比11.7%減)
- 外食事業: 売上は伸長、利益はインバウンドと既存店回復が支え
食品事業の利益が10%以上下がった理由は、冷凍餃子の主原料であるキャベツが異常気象で大幅に値上がりしたこと、関東第一工場が出火事故の影響で製造ライン数を減らさざるを得なかったことなどが重なったためです。家計でいうと、給料は増えたけど食費が大幅に値上がりして手元に残らなかった、というイメージに近い状況でした。
イートアンドの将来性|「Eat&チャレンジ2030」と海外1,000億円計画
イートアンドが2030年を見据えて掲げているのは、グローバル売上1,000億円という目標です。いまの3倍弱の規模を目指す計画で、その柱は3つあります。
1. 国内の関東ドミナント出店(直営店・加盟店を関東エリアに集中投下)
2. 西日本の供給力強化(宮崎県都城市に九州新工場、2026年操業開始)
3. 海外展開(台湾を中心に東アジア、北米にも店舗出店)
特に印象的なのは、台湾のセブンイレブン約6,000店で「大阪王将 肉煎餃子」「大阪王将 肉汁爆弾餡餅」の販売が2024年10月から始まったこと。日本の冷凍餃子メーカーが台湾の主要コンビニ全店に商品を並べた、というのはちょっとした事件です。「大阪王将」というブランドが、日本のローカル中華から東アジアのブランドに変わっていく途中の段階にいる、と読めます。
中期目標としては、2026年度に売上500億円、営業利益25億円。いまの売上373億円・営業利益10.9億円から考えるとかなり強気の数字ですが、海外と新工場の両方を立ち上げるとこのレンジを狙いに行くということです。
イートアンドに入社する前に知っておきたい3つの注意点
会社が公表している情報や事業環境から、入社前に押さえておきたい点が3つあります。
ひとつ目は、原材料価格に強く影響される事業構造であること。餃子に欠かせないキャベツ、皮の小麦粉、業界全体の物流費の上昇は、利益を直接削ります。価格改定で対応はしていますが、家計のように「光熱費が上がったら出費がそのまま増える」性質の事業です。
ふたつ目は、外食市場の競争が激しいこと。会社自身が「成熟した市場」「激しい競合」と認めており、街中の中華料理店もファストフードも全部ライバルです。新ブランドや海外への挑戦は、この前提のうえでの戦略です。
みっつ目は、ブランドへの依存度の高さ。会社の屋台骨を支えるのは事実上「大阪王将」というブランドであり、もしブランドの評判が大きく傷つく出来事があれば業績への影響は大きい、と会社自身が説明しています。逆に言うと、このブランドを磨き続けることが社員の仕事の中心になります。
イートアンドに向く人・向かない人|外食×食品メーカーの両面を楽しめる人へ
イートアンドに新卒で入るなら、外食店舗の現場と、食品メーカーの工場・本社の両方が見られる珍しい会社、というのが大きな魅力です。中華料理店の店長として腕を磨くキャリアもあれば、冷凍餃子の商品企画として全国のスーパーを相手にするキャリアもあります。
転職で入るなら、外食企業の店舗運営経験、食品メーカーの商品開発・営業経験、海外展開の経験などが活かしやすいです。中途採用の人数や年収レンジまでは会社が公表している情報では確認できないため、採用ページや転職エージェント経由で確認するのが現実的です。
向いていそうな人は、ブランドを育てる仕事に手応えを感じるタイプ、変化のある職場で5〜10年単位でキャリアを動かしていきたいタイプ。逆に、業界の安定や腰を据えて20年同じ仕事、という像を強く求めるなら、外食を主軸とする企業全般と同じく合いにくいかもしれません。
総括:イートアンドの年収・働き方・将来性を読み直す
イートアンドの年収は約654万円。外食・食品業界のなかでは健闘している水準で、男性育休100%・女性管理職46.7%という数字は、業界全体を見渡しても突出しています。一方で、平均勤続5.1年や、原材料高・市場の競争激化といったリスクは、外食を中核に持つ会社ならではの宿命でもあります。
それでも、台湾セブンイレブンへの商品供給、九州新工場、関東ドミナント出店と、2030年に向けた打ち手は具体的で、社員ひとりひとりにとっての成長の場が用意されている会社、という見方ができます。次の一歩として、採用ページや転職エージェントで初任給・中途採用の最新条件を確認すると、自分との相性をより具体的に判断できるはずです。



