コロナの年収はなぜこの水準?給料・勤続・働き方のリアル
新潟県三条市に本社を置く株式会社コロナ。石油ファンヒーターでおなじみのあの会社が、給料や働き方の面ではどんな顔をしているのか。会社が公表している情報の数字をていねいに見ていきます。
コロナはどんな会社?石油ファンヒーター・エコキュートの老舗メーカー
コロナは1937年創業、新潟県三条市に本社を構える住宅関連機器メーカーです。冬になると家電量販店でよく見かける石油ファンヒーター、家庭用の給湯器エコキュート、ルームエアコン、除湿機など、暮らしまわりの「暖める・涼しくする・お湯を作る」機器を作って売っています。
ブランドとしては「コロナエコ暖フロア」「おひさまエコキュート」、最近ではアウトドア向けの新ブランド「OUTFIELD(アウトフィールド)」も展開しています。コロナという社名は2020年に世界を覆ったあのウイルスとは無関係で、創業時の石油こんろのブランド名に由来する歴史ある名前です。
コロナの規模感|売上約852億円・従業員約2,110人の実感
コロナの売上は約852億円(2025年3月期、グループ全体)。従業員数はグループ全体で約2,110人です。新潟県三条市の人口がおよそ9万人ですから、市民のおよそ40人に1人がコロナで働いている計算になります。地元では立派な大企業という存在感です。
ただし、トヨタやパナソニックのような巨大メーカーと比べれば、コロナは「中堅メーカー」のサイズ感です。売上の内訳は、住宅設備機器(エコキュートなど)が約47%、暖房機器が約28%、空調・家電機器が約18%。家の中で使う機器に幅広く手を伸ばしているのが特徴です。
コロナの年収はいくら?平均約554万円の家計感覚
コロナの平均年収は約554万円です。日本の上場企業の平均は600万円台後半と言われていますから、それより少し下の水準です。ただし平均年齢が44.3歳とやや高めなので、若手のうちは平均より下、ベテランで平均並みというイメージになります。
家計でいうと、年収554万円なら毎月の手取りで35万円前後。新潟県内の物価水準で考えれば、住宅ローンを組んで家族で暮らしても十分余裕がある水準です。30代・40代・課長クラスといった年代別・役職別の年収は、会社が公表している情報では確認できません。ボーナスの月数も公表されていません。
ちょっとした補足: コロナは石油ファンヒーターの会社であり、コロナワールド(カラオケ・映画館などを運営する別会社)とは無関係です。検索で混同されやすいので注意してください。
コロナの働き方|勤続19.8年・男性育休100%の長く働ける土壌
コロナで特に目を引くのは、平均勤続年数の19.8年という長さです。上場企業の平均は13年前後と言われていますから、コロナは一度入社したら腰を据えて20年近く働く人が多い会社、ということになります。
男性育休取得率はなんと100%(2025年3月期)。製造業のなかでもかなり高い水準で、子育て世代の男性社員にとって取りにくい雰囲気が薄いことがうかがえます。一方で女性管理職比率は0.5%と低めで、管理職層はまだほぼ男性で占められているのが現状です。残業時間や有給取得率は、会社が公表している情報では具体的な数値が確認できません。
コロナの働き方は「ホワイト」?それとも厳しい?
データから推測すると、コロナは「ガツガツ稼ぐ会社」というよりも「長くじっくり働く会社」という色が濃く出ています。勤続20年近く、男性育休100%という数字は、定着率の高さと家庭との両立しやすさを示しています。
ただし注意したい点もあります。コロナの主力である暖房機器は秋から冬に売上が集中する季節商売で、第3四半期(10〜12月)に売上の34%が集中します。生産・物流部門は繁忙期と閑散期の差が大きく、繁忙期はそれなりの忙しさを覚悟しておいたほうがよさそうです。
コロナの将来性|石油暖房からヒートポンプへ、第10次中期経営計画の中身
コロナはいま、長年の主力だった石油暖房機から、電気を使ったヒートポンプ機器へと事業の柱を移そうとしている真っ最中です。会社が自分で挙げている課題と戦略から、この会社のこれからを読み解きます。
コロナの業績は伸びてる?落ちてる?売上は微増、利益はやや減少
2025年3月期の業績は、売上852億円(前期比3.9%増)、本業のもうけにあたる営業利益は約13.4億円(前期比0.9%減)、最終的なもうけ(純利益)は約11億円(前期比15.5%減)でした。売上は伸びましたが、利益はわずかに減少しています。
売上の中身を見ると、エコキュートなどの住宅設備機器が約12%増と好調だった一方、看板商品の暖房機器は約10%減。冬の気温が高めだったことと、流通在庫がだぶついていたことが響きました。本業のもうけ率は約1.6%と、金属製品業界の平均(約5%)と比べてかなり低めです。ここがコロナの最大の経営課題と言ってよさそうです。
コロナの将来性と方向性|2026ビジョンとヒートポンプ事業の拡大
コロナは2025年度から「第10次中期経営計画(2025〜2027年度)」をスタートさせています。3つの大きな方向性は次の通りです。
- 脱炭素社会に向けた事業ポートフォリオの再構築(ヒートポンプ機器の拡大)
- 暮らしの質を上げる商品・サービスの提供(OUTFIELDブランドの展開など)
- 高コスト体質の改善による利益体質への転換
ざっくりまとめると「石油から電気へ商品をシフトしつつ、もうけ率を上げる」という方針です。創業90周年にあたる2027年を見据えた「2026ビジョン」のもと、お湯を白濁させて温泉気分が味わえるエコキュート、太陽光発電と組み合わせる「おひさまエコキュート」など、新商品の開発に力を入れています。
コロナで働く前に知っておきたい3つの注意点
会社が自分で挙げているリスクから、入社前にぜひ知っておきたいポイントを3つに整理します。
ひとつ目は、季節変動の大きさ。暖房機器の売上は第3四半期に集中し、暖冬の年は業績が大きく揺れます。実際2025年3月期も、第1四半期と第4四半期は赤字、第3四半期だけで利益のほとんどを稼いでいます。
ふたつ目は、脱炭素規制のリスク。コロナの主力である石油暖房機・石油給湯機は、将来的に化石燃料への規制が強まれば製造・販売そのものが難しくなる可能性があります。会社自身が「将来的には規制されるおそれがある」と認めている点は重要です。
みっつ目は、高コスト体質。本業のもうけ率約1.6%は業界平均の約5%を大きく下回っており、原材料高や物流費の上昇が続けば利益がさらに圧迫されます。会社自身がこれを最重要課題に挙げています。
コロナに向く人・向かない人
新卒・転職どちらの視点でも考えてみます。
向きそうな人は、地元の新潟・北陸・東北エリアで長く腰を据えて働きたい人、暮らしまわりのモノづくりに関心がある人、急成長より安定と継続を重視する人。男性育休がほぼ自動で取れる環境を重視する子育て世代にも合います。
逆に向きにくいのは、若いうちから高年収を狙いたい人、女性管理職としてのキャリアアップを最短で目指す人、スピード感のあるベンチャー的な意思決定を好む人。会社の意思決定は慎重で、新しい挑戦に踏み込むスピードに課題があると会社自身が認めている点は、頭に入れておきたいところです。
総括:コロナの年収・働き方・将来性まとめ
株式会社コロナは、平均年収約554万円・平均勤続19.8年・男性育休取得率100%という、地方メーカーらしい長く働ける土壌を持つ会社です。一方で、本業のもうけ率は業界平均の3分の1ほどで、石油から電気へという事業構造の転換期に差しかかっています。
新卒で長く腰を据えて働きたい人、転職で生活基盤の安定したものづくり企業を探す人にとって、コロナは「派手さはないが堅実」な選択肢になりえます。次のアクションとして、転職検討中の方は転職エージェントで実際の中途求人の有無・年収レンジを確認すること、新卒就活生の方はコロナ公式の採用ページとインターン情報を早めに押さえておくことをおすすめします。



