天龍製鋸の年収はなぜこの水準?給料・勤続・働き方を読む
ここでは、天龍製鋸という会社の事業内容、規模感、年収の実額、働き方の数字を順に見ていきます。新卒・転職どちらの読み手にも、「ここで働くとはどういうことか」が立体的に見える形で整理します。
天龍製鋸はどんな会社?住宅資材用チップソーの世界メーカー
天龍製鋸は、丸ノコの刃(チップソー)を作っている専門メーカーです。1913年創業の老舗で、日本の機械鋸産業のパイオニア。住宅の床材や壁材を切るための刃、金属や木を切る工業用の刃などを、国内の工場で作って世界に売っています。
中国・タイ・米国・欧州・インド・メキシコにも生産や販売の拠点を持ち、住宅資材用チップソーの分野で世界中の現場に商品を届けています。ホームセンターで見かける丸ノコ、その「切れ味」の部分を作っている会社、と思ってもらうとイメージしやすいでしょう。
例えるなら、街の大工さんの電動ノコギリの切れ味を、世界中で支えている縁の下の力持ちのような存在です。
天龍製鋸の規模感|売上131億円・従業員970人の実感
2024年度の売上は約131億円、営業利益は約18.3億円。グループ全体の従業員数は約970人です。
131億円という売上は、人口1万人ほどの町の年間予算と同じくらいの規模感。決して巨大企業ではありませんが、ニッチな領域で長く生き残ってきた中堅メーカーです。970人という従業員数も、地方の大きめの高校の全校生徒数くらいで、社員同士の顔が見えやすい距離感がうかがえます。
地域別に見ると、日本での売上が約104億円(全体の8割弱)、中国が約46億円、東南アジア(タイ・インド)が約21億円、米国が約17億円、欧州が約7億円。海外比率がじわじわ高まっており、グローバルに広がる鋸刃メーカーという姿が見えてきます。
天龍製鋸の年収はいくら?平均591万円の月収イメージ
天龍製鋸の平均年収は約591万円、平均年齢は41.8歳です。日本の上場企業の平均(およそ600万円台)とほぼ同水準で、金属製品業界のなかでは堅実なポジション。
ちょっとした補足:
年収591万円というのは、月の手取りで35〜38万円ほどのイメージ。家計でいうと、夫婦と子ども2人の家庭で住宅ローンを組みながら、年に1〜2回の家族旅行は無理なく行ける、そんな水準です。
年代別・職種別の内訳、賞与の月数、退職金の具体額は、会社が公表している情報では確認できません。30歳・課長・新卒1年目などの個別の数字は公表されていないため、知りたい方は転職エージェント経由で確認するのが確実です。
天龍製鋸の働き方|勤続18年・育休75%の安心感
平均勤続年数は18.2年。上場企業平均(13〜14年)より相当長く、「入社したら長く働き続ける人が多い」会社です。平均年齢41.8歳とあわせて見ると、20代で入って40代まで在籍する人が多数派、というイメージ。
男性育休取得率は75%と高水準。10人いれば7〜8人が取っている計算で、子育て世代にとってはありがたい数字です。育児に積極的に関わりたい男性社員にとっては、心強い後押しになる文化が育っていると言えそうです。
女性管理職比率は公表されていません。役員には女性1名(社外取締役)が含まれていますが、社内から女性が管理職に上がる比率は、会社が公表している情報からは読み取れません。
天龍製鋸はホワイトな職場?データから見える働きやすさ
残業時間や有給取得率は会社が公表している情報では確認できないため、断定はできません。ただし勤続18年、育休75%という数字から推測すると、「いったん入社すれば腰を据えて働ける環境」であることはうかがえます。
一方で、平均年齢が41.8歳とやや高めなのは、若手の採用が控えめである可能性も示します。新陳代謝のスピードが速いベンチャー的な職場を求める人には、ややギャップを感じる場面があるかもしれません。
会社の財務的な体力(借金の少なさ)は91.9%と非常に高く、雇用の安定性という意味では極めて堅い土台を持っています。「給料がいきなり下がる」「リストラの嵐が吹く」といった事態は起こりにくい財務基盤です。
天龍製鋸の年収と将来性|チップソーで世界と戦う中期戦略
ここでは、業績の推移、これから力を入れる方向性、入社前に押さえておきたいリスク、そして「どんな人に向く会社か」を整理します。
天龍製鋸の業績は伸びてる?2024年度は売上10%増・営業利益47%増
2024年度の売上は前年比10.0%増、営業利益は前年比47.1%増と大きく伸びています。主力の住宅資材用チップソーの需要が回復し、特に中国(売上31.5%増)と東南アジア(83.4%増)が好調でした。
ここ数年は住宅需要に左右されながらも、海外工場の稼働率向上と生産自動化で利益体質が改善。本業のもうけになっている割合は約13.9%で、金属製品業界平均(約5%)の倍以上と、稼ぐ力は良好です。
「老舗の地味なメーカー」というイメージを持たれがちですが、数字を見ると、しっかり利益を出して伸びている会社という顔が見えてきます。
天龍製鋸の将来性と方向性|脱炭素・自動化・海外拡大の3本柱
2024年5月に発表された中期経営計画(2024〜2026年度)では、以下4つを重点戦略に掲げています。
1. 環境負荷を下げる新製品開発(刃先を薄くして電力使用を減らす等)
2. CO2排出削減のための新規設備投資
3. 海外販売・技術サポート体制の強化
4. 人材投資と就業環境の整備(本社事務棟の建替えなど)
「刃を薄くすることで切断時の電力使用を減らす」という発想はユニークで、職人の道具屋から環境配慮メーカーへの脱皮を狙う方向性が見えます。インド子会社も新たにグループ会社に加わり、伸びるアジア市場の取り込みに本気で動いている姿勢が読み取れます。
天龍製鋸の入社前に知っておきたい3つの注意点
会社自身がリスクとして公表している項目から、働く人目線で気になる3つを整理します。
ひとつ目は、海外売上の比率が高いため、為替変動の影響を直接受けやすいこと。円高に振れると業績が押し下げられる構造で、給料や賞与にも影響しうるポイントです。
ふたつ目は、米国トランプ政権の関税政策や、原材料・エネルギーコストの高騰。価格競争が激しい業界で、コスト増が利益を圧迫するリスクが続いています。
みっつ目は、他社ブランド向けの製造への依存。住宅資材用チップソーは他社ブランド向けの生産が中心で、取引先の経営方針が変わると業績がぶれやすい一面があります。
天龍製鋸に向いている人・向かない人
新卒で入る人にとっては、長く腰を据えてものづくりに向き合える環境です。1913年から続く老舗で、急成長スタートアップのような派手さはありませんが、専門性を磨いて世界に届ける仕事に醍醐味を感じる人にはフィットします。
転職で入る人にとっては、グローバル拠点を持つ中堅メーカーで即戦力として働きたい人、特に海外営業・技術・財務などで国内外を行き来できる人材にチャンスがある会社です。
逆に、頻繁な異動や新規事業の立ち上げでスピード感ある成長を求める人、年功色を完全に避けたい人には、勤続18年という社風はやや重く感じられるかもしれません。「派手な変化」より「静かな積み重ね」を価値だと思える人ほど、長く居心地よく働ける会社です。
総括:天龍製鋸の年収・働き方・将来性まとめ
天龍製鋸の年収は約591万円、上場企業平均と並ぶ堅実な水準でした。勤続18年・男性育休75%という数字から、長く腰を据えて働ける環境であることが読み取れます。
世界規模で住宅資材用チップソーを展開し、脱炭素・自動化・アジア拡大という明確な方向性を持つ会社。為替や関税のリスクは抱えつつも、ニッチトップとして100年以上生き残ってきた地力があります。
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