長府製作所の年収・給料と働き方のリアル
ここでは、長府製作所の年収や働き方を、家計感覚や身近な比喩に置き換えながら見ていきます。「給料はいくらか」「定着率はどうか」「ホワイト企業なのか」、就活生にも転職検討者にも刺さる数字を整理しました。
長府製作所はどんな会社?エコキュート・石油給湯機の老舗
長府製作所は山口県下関市に本社を置く、住まいまわりの機器を作る会社です。エコキュート、石油給湯機、ガス給湯器、エアコン、温水暖房、システムバス、システムキッチン、太陽熱温水器まで、家のなかの「お湯まわり」「空気まわり」「水まわり」を幅広く手がけています。
家電量販店やリフォーム店で「長府」と書かれた給湯器を見たことがある方も多いかもしれません。とくに寒冷地での石油給湯機やヒートポンプ式エコキュートに強く、北海道・東北・北陸の家庭に長く支持されてきました。
イメージしやすく言うと、北国の家の床下や軒先で「お湯と暖房をひっそり支えてきた」ような会社です。派手な広告は少ないですが、寒い地域ではほぼ生活インフラに近い存在感があります。
長府製作所の規模感|売上約465億円・従業員約1,166人の実感
長府製作所のグループ全体の売上は約465億円、本業のもうけにあたる営業利益は約17億円、最終的なもうけにあたる純利益は約21億円です。従業員数は約1,166人。
売上465億円というのは、たとえば地方の中堅都市にある中規模の市役所の年間予算と同じくらいの規模感です。世界的な巨大メーカーと比べれば小さく見えますが、家まわりの機器メーカーとしては十分に成立する大きさで、地方を代表する優良企業のひとつといえます。
従業員1,166人という規模は、ひとつの中学校6校分くらいの人数。本社のある下関のほかに、宇都宮、滋賀、花巻、福岡、東京などに拠点があり、製造から営業まで一気通貫で行っています。
長府製作所の年収はいくら?平均約616万円を家計に置き換えると
長府製作所の平均年収は約616万円。日本の上場企業の平均がおおむね600万円台前半なので、ほぼ平均ライン、製造業のなかではやや上の水準です。
家計に置き換えると、月の額面が約50万円、ボーナスを含めて手取りでは月35〜38万円ほどというイメージ。家賃15万円のマンションに住んで、車を1台維持し、子どもの教育費もそれなりに確保できる、生活に余裕が出るラインです。
ちょっとした補足: 年代別や職種別の年収、ボーナスの月数、課長クラスの年収、高卒採用者の年収などは、会社が公表している情報では確認できません。役職や勤続年数によって差は当然あるはずですが、ここでは「平均で616万円」という事実までにとどめておきます。
平均年齢は40.9歳。30代後半〜40代前半が中心の、安定志向の社員構成といえます。
長府製作所の働き方|勤続16.3年・男性育休47.6%が物語るもの
長府製作所の平均勤続年数は16.3年。日本の上場企業全体の平均が13年前後なので、これより3年ほど長い水準です。新卒で入社した人がそのまま40代になっても残っているイメージで、定着率はかなり高い会社といえます。
男性の育児休業取得率は47.6%。男性のおおよそ2人に1人が育休を取得している計算です。製造業全体の平均が30%前後なので、これも明確に上回っています。「育休、うちの会社では取りづらくて…」という空気とは無縁の文化が、データから読み取れます。
ご注意ください: 残業時間、有給休暇取得率、退職金制度の詳細、福利厚生の細かな内容については、会社が公表している情報では確認できません。「ホワイトかブラックか」を断定する材料は十分ではないため、より詳しい労働環境は説明会や面接で直接確認するのが安全です。
長府製作所はホワイト企業?離職率は本当に低い?
平均勤続年数16.3年、平均年齢40.9歳、男性育休取得率47.6%。この3つの数字を並べると、「長府製作所はホワイトなのか」という問いには、データ上は前向きな答えが返ってきます。
新卒の離職率や3年以内離職率は公表されていませんが、勤続16年超という数字は、入社してすぐ辞める人が多い会社では絶対に出ません。少なくとも「合った人は長く残る」職場であることは間違いなさそうです。
一方で、女性管理職比率は0.0%。役員11名も全員男性です。男性中心の職場で長く働く人が多い、いわゆる伝統的な日本の製造業の姿が、いまも色濃く残っているとも読めます。女性のキャリアアップという観点では、まだ伸びしろが大きい会社といえるでしょう。
長府製作所の将来性|エコキュート・カーボンニュートラルで戦えるか
ここからは、長府製作所がこれから伸びる会社なのか、入社後どんな仕事が待っているのか、判断材料になる数字とテーマを見ていきます。
長府製作所の業績は伸びてる?売上・利益の最新トレンド
直近の売上は約465億円で、前の年から0.8%増。営業利益は約17億円で1.9%減、経常利益は約46億円で2.1%増。最終的なもうけにあたる純利益は約21億円で、前の年から30.7%の大きな減少となっています。
純利益が大きく落ち込んだ理由は、「製品補償損失引当金」というお金を将来の備えとして計上したためです。これは将来、製品の不具合などで発生するかもしれない費用に備えて、あらかじめ会計上のクッションを積み上げた、というイメージ。本業の調子が悪くなったわけではなく、むしろ堅実な備えの動きです。
部門別の売上はこのような構成です。
- 給湯機器:約215億円(前の年から2.3%増)
- 空調機器:約187億円(同0.5%減)
- システム機器:約10億円(同6.1%減)
- ソーラー機器・その他:約26億円(同2.8%増)
- エンジニアリング部門:約26億円(同1.2%減)
主力の給湯機器が伸びていて、空調・システムは横ばい。会社全体としては「ゆるやかに前進」というところです。
長府製作所のこれから|カーボンニュートラルと海外ヒートポンプ
長府製作所がこれから力を入れると明言しているのは、大きく2つです。
ひとつは、カーボンニュートラル(二酸化炭素の排出を実質ゼロにする取り組み)への対応。エコキュート、ヒートポンプ式の暖房機、太陽光発電の余剰電力を活用するエコキュートなど、省エネ性能の高い製品を増やす方針です。
ふたつめは海外展開、とくに欧州向けのヒートポンプ式熱源機。ヨーロッパでは脱ガスの流れで、家庭の暖房を電気のヒートポンプに切り替える動きが急速に進んでいて、ここに自社の生産体制を拡充するとしています。
業界初の石油給湯器を含むウルトラファインバブル搭載給湯器、寝室用の壁掛けパネルエアコン、天気予報と連動するアプリ付きエコキュートなど、商品の中身も「快適さ」「健康」「省エネ」に振っています。地味ですが、住宅まわりのトレンドにきっちり乗ろうとしている会社です。
長府製作所に入る前に知っておきたい3つの注意点
入社を検討するなら、会社自身が挙げているリスクから3つだけ知っておくと判断がしやすくなります。
ひとつ目は天候の影響。冷暖房機器が主力なので、暖冬や冷夏の年には売上が振れる事業構造です。多彩な製品ラインで分散はしていますが、「景気以外の要因」で業績が揺れる業種だと知っておくと安心です。
ふたつ目は原材料の高騰。ステンレス、銅、アルミニウム、樹脂などの価格が上がると、すぐに利益を圧迫します。直近も「原材料価格の高止まりの影響」で営業利益が1.9%減と説明されています。
みっつ目は新築住宅の減少。日本国内では住宅ローン金利の上昇もあり、新しく建つ住宅の数は弱含みで推移しそうという見立てです。会社はリフォーム市場、集合住宅、寒冷地、海外で巻き返す方針を出していますが、国内の新築頼みだけでは厳しい時代に入っています。
長府製作所に向く人・向かない人
新卒・転職どちらの視点でも、向きそうな人と向かないかもしれない人を整理してみます。
向きそうな人:
- 派手さよりも、生活インフラに近い堅実なものづくりに惹かれる人
- 同じ会社で長く腰を据えて働きたい人(平均勤続16年超は本物)
- 山口・栃木・滋賀・岩手など地方拠点で働くことに前向きな人
- ヒートポンプや省エネ、住宅機器に興味がある人
向かないかもしれない人:
- 短期間で年収を急上昇させたい人(平均616万円から急に化けるタイプの会社ではありません)
- 女性として管理職を早期に目指したい人(女性管理職0%、女性役員ゼロは事実として受け止める必要があります)
- 都市部の本社勤務にこだわる人
総括:長府製作所の年収・働き方・将来性まとめ
長府製作所の年収は平均約616万円。日本の上場企業の平均ラインで、製造業のなかではやや上、爆発的な高給ではないものの、地方の優良企業として安定した待遇です。平均勤続16.3年、男性育休47.6%、財務体力93.0%という数字は、「定着しやすく、潰れにくい会社」であることを物語っています。
一方、女性管理職0.0%、役員11名全員男性という構成は、女性活躍という観点ではこれからの課題。新築住宅の減少、原材料の高騰といった逆風もありますが、エコキュートや海外向けヒートポンプなど、住宅まわりの環境対応で前に進もうとしている会社です。
新卒の方は「地方で腰を据えて、住まいの省エネを支える仕事に関わりたいか」、転職の方は「派手な成長より安定と長期雇用を取りたいか」を軸に、説明会や面接で実際の働き方を確かめてみるのがおすすめです。



