ファースト住建の年収と給料の実態|建売住宅で働くということ
ファースト住建は「より良いものを、より安く、より早く、より安全に提供する」という理念のもと、戸建住宅の分譲を主力とする不動産会社です。年収・勤続年数・育休の数字を順に確認していきます。
ファースト住建はどんな会社?|建売住宅から特建・マンションまで
ファースト住建は1999年(平成11年)7月の創業以来、建売住宅の企画・建築・販売を中心に成長してきた会社です。主力商品は「30坪程度の土地に4LDK」を標準とした戸建住宅の分譲です。近畿圏をベースに、愛知・広島・福岡・埼玉・千葉・神奈川・東京へとエリアを広げてきました。
「建売だけの会社」というイメージになりがちですが、実はそれだけではありません。自由設計の注文住宅「オーダーキューブ・システム」、中古マンションを丸ごとリノベーションして販売するマンション事業、さらに木造建築の技術を学校・福祉施設・大型集合住宅に応用する「特建事業」にも取り組んでいます。
グループ全体では35拠点を展開していますが、従業員は約411人。地方の小規模市役所が一棟に入ってしまうほどのコンパクトな規模で、少数精鋭で各地を支えているのがファースト住建のスタイルです。
ファースト住建の規模感|売上約429億円・従業員411人の実感
グループ全体の売上は約429億円。1棟3,000万円の家を約1,400棟以上売ってようやく届く金額で、戸建分譲だけで直近年度に約1,120棟を販売しています。地道に家を建て続けてきた実績が数字に表れています。
本業のもうけになっている割合は約5.8%(売上約429億円に対して営業利益約24.9億円)。不動産業界の平均的な水準(約9.83%)と比べると低めですが、建材費が高止まりする厳しい環境でも黒字を維持できています。
財務的な体力を示す指標は65.8%で、資産の約3分の2が自己資金でまかなわれている計算です。借金が少ない堅実な財務体質は、雇用の安定を考えるうえでの安心材料のひとつといえます。
ファースト住建の年収はいくら?平均約446万円の正直な評価
ファースト住建の平均年収は約446万円(平均年齢43.2歳)。日本の上場企業の平均(約600万円台)と比べると、約150〜200万円ほど低い水準です。
月換算では、手取りでおよそ28〜30万円前後のイメージです。ひとり暮らしなら余裕がある水準ですが、住宅ローンを組みながら子育てするには家計の工夫が必要になります。「毎月少し余るが、大きな支出は計画的に」という感覚に近い水準です。
不動産業界の中でも、財閥系や大手デベロッパーほどの高年収は期待しにくいといえます。一方で、職種別・年代別の詳細な給与や初任給については、会社が公表している情報からは確認できません。
ちょっとした補足: 平均年収は全従業員の単純平均です。営業職・工事管理職・事務職など職種によって差があるのが一般的ですが、詳細な内訳はデータとして公表されていません。
ファースト住建の勤続年数・育休・女性比率|働き方のデータを読む
平均勤続年数は7.3年。一般的な上場企業の平均(12〜13年程度)と比べると短めです。不動産業界は転職が活発な業種でもあるため、業界の特性もありますが、長期就業を前提に考えるなら入社前に確認しておきたいポイントです。
男性育休取得率は33.3%。日本全体の男性育休取得率と同水準で、「育休を取りやすい雰囲気がある」というデータとして読めます。
気になるのは女性管理職比率です。3.7%という数字は業界問わず低い水準で、役員8名のうち女性は現在1名という状況です。建売住宅の現場が主体の職場柄、女性が管理職へ進みにくい環境が残っている可能性があります。
残業時間や有給消化率については、会社が公表している情報では確認できません。
ファースト住建の評判は?「ホワイト」か「ブラック」かデータで推測する
断言はできませんが、公表データから読み取れる範囲をお伝えします。
平均勤続7.3年・財務的に安定・男性育休取得率33.3%という数字は、「続けて働ける環境の最低限は整っている」というサインとして読めます。急な賃金カットや事業縮小リスクの低さも、安定して働くうえでの安心材料です。
一方で気になる点もあります。年収が上場企業平均を大幅に下回ること、女性管理職比率が低いこと、そして住宅営業の現場は土日・祝日対応が発生しやすい業種であることです。「週末にどれくらい働くのか」は事前に確認したいポイントです。
ご注意ください: 残業・有給・職場の人間関係に関する情報は、会社が公表しているデータだけでは確認できません。転職を検討する際は、口コミサイトや転職エージェントも合わせて参照されることをお勧めします。
ファースト住建の年収と将来性|戸建市場の競争環境と入社判断材料
建材費の高騰・金利上昇・人手不足と、外部環境の変化が激しい住宅業界。ファースト住建の業績トレンドと将来の方向性、入社前に知っておきたいリスクを整理します。
ファースト住建の業績は伸びてる?直近年度の数字から読む
直近年度の売上高は約429億円で、前年から約19.2%増加しています。営業利益も前年比36.2%増の約24.9億円と、数字だけ見れば好調に映ります。
ただし、この増収の主な要因はグループ内の子会社増加です。兵庫県の住宅会社・KHCを2024年に完全子会社化したことで、拠点数・販売棟数・売上がいずれも膨らみました。海面から顔を出している魚の大きさが、実は潮が満ちてきた分だった――そんなイメージで、拡大の中身を把握しておく必要があります。
一方で純利益は約14.4億円と、前年から42.5%の大幅減。これは前年に子会社取得に伴う一時的な特別利益があった反動で、本業の流れとしては正常な範囲で整理できます。
戸建分譲の販売棟数は1,120棟と前年比6.5%増。住宅需要が冷え込む市場のなか、グループ再編の効果で棟数を伸ばせています。
ファースト住建がこれから力を入れること|拠点拡大・特建・賃貸強化
ファースト住建は「年間2〜3支店の新設」を中期的な方針に掲げています。売上の拡大はエリアの広がりとセットで進むスタイルで、現在の35拠点からさらに増やしていく計画です。
注目したいのが「特建事業」です。戸建分譲で磨いた木造建築の技術を、学校・福祉施設・集合住宅などの大型建物に応用する事業で、直近年度に初めて売上実績が生まれました。住宅以外の新しい収益の柱として育つかどうかが、今後の見どころです。
また、賃貸用不動産の取得拡大にも動いています。分譲収益は景気に左右されやすいですが、毎月入ってくる家賃収入は安定しやすい。収益の多様化は、将来の経営の安定につながる動きです。
ファースト住建に入社する前に知っておきたい3つのリスク
ひとつ目は「住宅需要の先行き不透明感」です。
物価上昇による実質所得の低下と住宅ローン金利の上昇が重なり、初めて家を買う層の購買意欲が冷え込んでいます。ファースト住建の主力顧客がまさにこの層であるため、需要の変動が業績に直結しやすい構造です。
ふたつ目は「建材費・人手不足という構造的なコスト増」です。
木材などの資材価格は高止まりしており、建築職人の減少・高齢化も続いています。コスト増を販売価格に転嫁できない局面では、もうけが圧縮されます。大手ほど調達力で吸収できる余裕があるため、規模の小さい会社ほど影響を受けやすい傾向があります。
みっつ目は「土地仕入の競合激化」です。
建売住宅の勝負は「良い土地を適正な価格で仕入れられるか」にかかっています。競合が激化するほど好条件の用地確保が難しくなり、採算の合わない土地を仕入れてしまった場合は値引き販売に追い込まれる可能性もあります。
ファースト住建に向く人・向かない人
向く人のイメージ:
- 地域に密着した営業・仕入れの仕事に面白さを感じられる
- 「完成した家」という具体的な成果物が残る仕事をしたい
- 近畿・東海・関東・九州などで腰を据えて働きたい
- 年収より安定・成長機会を重視できる
向かない人のイメージ:
- 年収水準を最優先したい(大手デベロッパーや外資系との差は大きい)
- 女性管理職の多い職場やダイバーシティ推進を重視する
- 土日・祝日の休みが確実に必要(住宅業界は土日対応が一般的)
ファースト住建は「少数精鋭でエリアを広げる」スタイルの会社です。大企業のような整備されたキャリアパスより、早い段階から現場の責任を持てる環境を求める方に向いているかもしれません。
総括:ファースト住建の年収・働き方・将来性をひとまとめに
ファースト住建の年収は平均約446万円で、上場企業の平均を下回ります。ただし財務的な体力は高く(65.8%)、男性育休取得率33.3%・グループ35拠点展開と安定の基盤は整っています。
業績はグループ再編を背景に拡大中で、特建事業・賃貸強化という新しい収益の柱も育ちつつあります。住宅需要の冷え込み・建材高・人手不足といった外部環境のリスクは今後も続く見通しです。
「家を作る現場に近い場所で、地域密着のキャリアを積みたい」という方にはフィットしやすい会社です。転職・就活の最終判断は、採用窓口や口コミサイトでも最新の情報を確認してください。



