穴吹興産の年収・給料と働き方の実態を読む
穴吹興産とはどんな会社で、どのくらいの年収で、どのような働き方をするのか。会社が公表している数字から、じっくりと読み解いていきます。
穴吹興産はどんな会社?「アルファ」「グローリオ」ブランドと事業の広がり
穴吹興産は1964年に香川県高松市で生まれた不動産グループです。最もよく知られる商品が「アルファ」シリーズの新築分譲マンション。四国・中国・九州エリアの主要都市で長年にわたって分譲を続け、地元密着のマンションブランドとして確かな認知を築いてきました。
首都圏では「グローリオ」シリーズという一棟丸ごとの収益マンションも展開しています。賃貸中の物件を保有して家賃収入を得ながら、入居者が退去した後に売却益を得るビジネスモデルで、都市部の投資家向け需要も取り込んでいます。
さらに驚くのはその事業の多彩さです。人材派遣(クリエアナブキ)、ホテル・施設運営、介護・有料老人ホーム、長崎でのスーパーマーケット、電力供給、旅行・トラベルと、まるで地方の中堅総合商社のような広がりを持っています。「マンション一本の会社」と思って入社したら、グループ内でホテルや介護の仕事に関わる可能性もある、そんな懐の深さがあります。
穴吹興産の規模感|売上約1,310億円・従業員約1,780人をどう実感する?
グループ全体の売上は約1,310億円です。少しイメージしにくい数字ですが、香川県高松市の年間予算(一般会計ベースで約1,400億円程度)に匹敵する規模のお金が、1年間で動いています。地方から生まれ、着実に全国・海外へと事業を広げてきた会社の底力が感じられます。
本業のもうけは約56.9億円、最終的な利益は約37.2億円です。
従業員は約1,780人。地方の中堅私立大学の全学生数に近い規模で、大手企業ほど顔が見えなくなる巨大さはなく、それでいて中小企業の窮屈さもない、「ほどよい手触り感」の組織規模といえます。ただし子会社・関連会社は43社(国内外合わせて)にのぼります。グループ全体を含めると、実際に関わる人数と仕事の幅はさらに広がります。
穴吹興産の年収は約678万円|月収・生活感に落とし込むと?
穴吹興産の平均年収は約678万円(平均年齢37.7歳)。月の総支給額に換算すると約56万円、手取りベースでは月43〜45万円台が目安となります。
家計に置き換えると、家賃・食費・通信費・保険・交際費をひと通り支払っても、毎月一定額を貯金や趣味にまわせる水準感です。住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合でも、家計的にある程度余裕が生まれやすい数字といえます。
上場企業の平均(600万円台前半)と比べれば、穴吹興産の年収はやや上回っています。ただし不動産業界で見ると、大手デベロッパー各社の平均が1,000万円を超えるケースも多く、業界内での位置づけは「中位〜やや上」というイメージです。
なお、営業職・技術職・事務職など職種別の年収や、30代・40代といった年代別年収は、会社が公表している情報からは確認できません。執行役員クラスの報酬についても同様に、個別の数字は公表されていません。
ご注意ください:年収の実態をより細かく知りたい場合は、転職口コミサイトや転職エージェントとの相談を合わせてご活用ください。
穴吹興産の勤続・育休・女性活躍|数字から見える職場の空気
平均勤続年数は10.6年です。30歳で入社した場合、平均的には40歳過ぎるころまで在籍し続けている計算です。転職が当たり前になった時代のなかで、10年以上腰を据えて働く人が多いということは、「居続けられる理由がある職場」であることの一つの証拠といえます。
男性育休取得率は45.5%。2人に1人近くが育休を取得している計算で、不動産業界のなかではしっかりした水準です。ただし、取得期間の長さや取得後のキャリアへの影響については、会社が公表している情報では確認できません。
一方で、女性管理職比率は3.9%と低めです。役員レベルでは12人中2人が女性(16.7%)と、トップ層での変化は始まっています。ただし現場管理職への女性登用はまだ発展途上といえます。「将来的に管理職を目指したい」という女性の方にとっては、今後の変化を注視したいポイントです。
残業時間・有給取得日数については、会社が公表している情報からは確認できません。
穴吹興産はブラック?ホワイト?公表データから正直に読む
「穴吹興産はやばい」という検索が見られますが、会社が公表している情報の範囲では、パワハラや過剰残業といった問題を事実として確認することはできません。
公表データから読めるのは次の通りです。
- 平均勤続10.6年:定着率が高い傾向がある
- 男性育休45.5%:育児への一定の配慮がある
- 女性管理職3.9%:女性のキャリア形成はこれからの課題
- 残業・有給:非公開のため公表データからは判断できない
ちょっとした補足:2026年2月、日本経済新聞がランサムウェア被害に関する報道を行っており、穴吹興産がサイバー攻撃の被害を受けたことは確認されています。これがネット検索で「やばい」と出てくる理由の一つと思われます。労働環境に関する口コミは、転職口コミサイトでも部署・時期・雇用形態によって評価が大きく異なる傾向があるため、複数の情報源をあわせて判断することをおすすめします。
穴吹興産の「アルファ」事業と入社前に知っておきたい将来性・年収の行方
主力のマンション事業が今後どうなるか、そして穴吹興産の事業基盤は安定しているのか。業績のリアルと、入社前に知っておきたいリスクを整理します。
穴吹興産の業績は伸びている?落ちている?売上・利益の最新トレンド
最新の業績は、売上約1,310億円(前年比2.6%減)、本業のもうけ約56.9億円(同0.5%減)、最終利益約37.2億円(同23.1%減)です。
「売上・利益ともに微減」というのが現状です。分譲マンションの売却戸数が前年比8.9%減となっており、マンション価格の高止まりによって購入を様子見する動きが影響しています。最終利益の落ち込みが23%と大きい点は気になるところです。
ただし、「未完成売れ残りゼロ」を15期連続で達成しているという事実は光ります。無理な値引きで在庫を処分するのではなく、「売れる物件だけを選んで作る」という需給管理の丁寧さが、長期的な安定につながる経営姿勢を示しています。
また、本業のもうけ率(売上のうち本業でもうけになる割合)を計算すると約4.3%。不動産業界の平均(約9.83%)を大きく下回っており、収益効率という観点では業界内で課題がある位置づけです。
穴吹興産はこれから何に力を入れる?地域密着・新規事業・海外展開の方向性
穴吹興産は「地域密着型ビジネスモデルの研鑽と拡充」を掲げた3カ年の中期計画を策定しています。四国・中国・九州という地盤を深掘りしながら、新しい収益の柱を育てる方針です。
具体的な新規事業として挙がっているのは、霊園事業、再生可能エネルギーや物流施設の開発、リゾート開発などです。また、中古マンションを買い取って空室になった後に売却する「買取再販事業」の拡大も進めており、物件の保有戸数は1,135戸にのぼっています。
海外展開も注目です。タイ・インドネシア・ベトナムに加え、アメリカ市場への本格進出も始まっています。地方の不動産会社という枠を超え、グローバルな展開を模索している段階です。
「マンション一本足から脱却し、住まい+αの価値を地域に届ける」という方向性は、長期的な事業リスクを分散しようとする意志の表れといえます。
穴吹興産の入社前に知っておきたい3つのリスク
会社自身が公表しているリスクを整理すると、主に3点に絞られます。
ひとつ目は、金利上昇のリスクです。
分譲マンション事業は、土地仕入れと建設費用の一部を銀行からの借入に頼る構造です。金利が上がると、住宅ローンを検討している買い手の購買意欲が落ち、同時に会社の資金調達コストも増します。金利環境の変化は業績に直結します。
ふたつ目は、建築コスト・資材高騰のリスクです。
近年、建築資材や人件費の上昇が続いており、マンション1棟を建てるコストが上がり続けています。コスト上昇を価格転嫁できるエリアと商品を厳選する判断力が、今後の収益性を左右します。
みっつ目は、売上計上タイミングの偏りリスクです。
マンション事業は、物件が完成して買い手に引き渡されて初めて売上になります。天災や工期遅延で引き渡しが翌期にずれ込むと、その期の数字が大幅に悪化します。上半期・下半期で業績が波打ちやすい構造を持っています。
穴吹興産に向く人・向かない人
向く可能性が高い人
- 四国・中国・九州エリアでキャリアを築きたい人(本社は香川県高松市)
- マンション販売だけでなく、人材・ホテル・介護など多彩な仕事に関わりたい人
- 「地域になくてはならない存在になる」という会社の方針に共感できる人
- 長期的に腰を据えて、一つの組織でじっくりキャリアを積みたい人
ミスマッチになりやすい人
- 東京・大阪を中心にキャリアを展開したい人
- 女性として早期に管理職へ昇格したい人(現状は3.9%と低め)
- スタートアップのような急成長・スピード感のある環境を求める人
「マンション会社だと思ったら、地域の総合生活インフラ企業だった」という面白さを楽しめる方には、合う職場かもしれません。どちらの型にもきれいに当てはまる人はいないものですが、「地方で、不動産を軸にした多彩な事業に長く関わる」イメージが持てるかどうかが、合う・合わないの分かれ目になりそうです。
総括:穴吹興産の年収・働き方・将来性を判断する3つのポイント
穴吹興産の年収は約678万円で、上場企業の平均をやや上回る堅実な水準です。
- 「アルファ」ブランドの分譲マンションは四国・九州で強い認知を持ち、未売れ残りゼロ15期連続という需給管理の丁寧さが光る
- 平均勤続10.6年・男性育休45.5%と定着率は高め。ただし女性管理職比率3.9%は伸びしろの大きいポイント
- 金利上昇・資材高騰という業界全体のプレッシャーと、地域密着×新規事業による収益分散戦略が今後の鍵を握る
入社を具体的に検討される場合は、配属エリア・職種・部署の実態を転職エージェントやOB/OG訪問で補うことで、判断の精度がぐっと高まります。



