清水建設の年収はなぜこの水準?給料・勤続・働き方を読む
清水建設という会社名を聞いたことがある方は多いでしょう。ただ「何をしている会社か」「給料は本当に高いのか」を、具体的な数字で理解している人は意外と少ないかもしれません。このセクションでは、会社が公表している情報をもとに、清水建設の規模・年収・働き方の実像を整理します。
清水建設とはどんな会社?建物から道路・橋まで手がけるゼネコンの全体像
清水建設は1887年(明治20年)創業の大手総合建設会社、いわゆる「ゼネコン」です。「ゼネコン」とは、建物だけでなく橋・道路・トンネルといった社会インフラを丸ごと設計・施工できる企業のこと。ハウスメーカーが個人向け住宅を建てるのとは異なり、病院・官公庁の庁舎・高速道路の高架・地下鉄の駅舎まで、社会の「骨格」を作る仕事をしています。
グループ全体では子会社136社、関連会社22社を抱えます。道路の補修・舗装を担う日本道路株式会社、プラント工事専門の日本ファブテック株式会社、設備工事の第一設備工業株式会社など、建設に関わるあらゆる分野をグループ内でカバーする体制です。
「建物を作る会社」という印象を持たれがちですが、実際は「都市そのものを維持・更新する仕事」と表現するほうが近いかもしれません。
清水建設の規模感|売上約1.9兆円・従業員約21,286人のスケール感
グループ全体の売上高は約1兆9,443億円。「1兆円」という数字はなかなかイメージしづらいですが、日本の国家予算(約110兆円)の約1.8%に相当します。毎年それだけの規模で建物・道路・インフラ工事を全国・世界で動かしているわけです。
従業員数は約21,286人(グループ全体)。東京・大阪・名古屋・福岡などの国内主要拠点のほか、北米での統括拠点も持ちます。
本業から生まれたもうけは約710億円(売上に占める割合で約3.7%)。業界平均の収益性(約6.7%)と比べると低めに見えますが、前の期には約246億円の損失を計上していた事実を踏まえると、今期は大幅な回復を遂げた年です。
ちょっとした補足: 資産の34.1%を自前の資本で賄っており、財務的な安定感があります。手元の現金も約4,381億円まで積み上がっていて、大型工事で工期が延びるような事態にも備えられる体力を持っています。
清水建設の年収は約1,012万円——30歳・課長・施工管理で変わる?
平均年収は約1,012万円(平均年齢43.7歳)です。日本の上場企業の平均が600万円台であることを考えると、その差は約400万円。「家計でいうと月の手取りで12〜15万円分の差が出る」規模のギャップです。住宅ローンを組む場合でも返済に余裕を持ちやすい水準といえます。
年代別(30歳・50代など)・職種別(施工管理・設計・課長・部長など)の年収内訳は、会社が公表している情報では確認できません。ボーナス(賞与)の支給額・支給月数も公表されていません。ただし「平均年齢43.7歳・平均勤続16.0年で約1,012万円」というデータからは、長く在籍するほど年収が積み上がる傾向が推測できます。
清水建設の勤続16年・女性管理職4.9%——長く働ける職場か
平均勤続年数は16.0年。20代で入社して40代まで在籍し続けるイメージです。「転職を繰り返すより、一社でじっくりキャリアを積みたい」という方には相性のよい環境といえます。
女性管理職比率は4.9%。役員のうち女性が3名(役員全体の18.8%)という状況と比べると、現場の管理職層での女性登用はまだ途上です。男性の育休取得率は会社が公表している情報では確認できませんでした。
残業時間・有給消化率の具体的な数字も公表されていません。施工管理職は現場の工期に合わせた働き方が求められるため、部署や担当案件によって状況は大きく変わります。
清水建設はホワイト企業?「やばい」「激務」という声は根拠がある?
「清水建設 やばい」「清水建設 ブラック」という検索ワードが実際に存在します。しかし、これらは会社が公表している情報では確認できない内容で、匿名の投稿が起点になっているものが多いです。部署・時期・雇用形態によって職場環境は大きく異なるため、特定の口コミを事実として判断することはリスクがあります。
公表データから見ると、清水建設の平均勤続年数は16.0年。「在籍し続けることを選ぶ社員が多い」という事実は示しています。一方で、施工管理職は現場の工期に縛られた働き方になりやすい職種であることは業界全体の傾向です。「清水建設 残業代」に関する詳細も、会社が公表している情報では確認できません。
ご注意ください: 口コミサイトや匿名掲示板の情報は、投稿者の所属・雇用形態・在籍時期によって内容が大きく異なります。判断材料にする場合は複数の情報源を比較し、面接や説明会で直接確認することをおすすめします。
清水建設の将来性と年収の伸びしろ——建設・道路・再エネから読む入社判断
清水建設は「建物を作る」だけでなく、再生可能エネルギーや次世代まちづくりへと事業を広げようとしています。業績・成長戦略・リスクの3点から、入社前に押さえておきたいポイントをまとめます。
清水建設の業績はV字回復——赤字から営業利益710億円への転換
前の期(2023年4月〜2024年3月)は、工事費の上昇などを背景に約246億円の損失を出していた清水建設。それが今期(2024年4月〜2025年3月)には710億円の黒字に転換しました。わずか1年で約956億円分の改善です。
純粋な利益も660億円(前の期比284.6%増)に跳ね上がり、建築工事部門の利益は前の期比171.4%増の564億円を達成。道路舗装事業も26.3%増の98億円と、複数の事業が同時に回復しました。
売上高は約1兆9,443億円で前の期より3.0%減りましたが、もうかる体制に切り替わったことで利益が大幅に改善した年です。
清水建設が力を入れる次世代まちづくり・再生可能エネルギー・省エネ建築
清水建設が2030年に向けて掲げる成長の柱は3つです。
- 災害に強い社会インフラの構築: 地震・台風・水害に強い建物・橋を作り、国土の強じん化に貢献する
- デジタル技術を活用したまちづくり: ネット接続やセンサーを組み込んだ都市設計、誰もが使いやすいユニバーサル施設の建設
- 再生可能エネルギーと省エネ建築: 太陽光・風力の普及支援、建物が消費するエネルギーをゼロに近づける設計技術の開発
2030年度の目標は、本業の利益(経常利益)で2,000億円以上。今期実績の716億円から3倍近い水準を目指しており、建設事業以外の割合を高める方針です。地域バランスも国内75%・海外25%の構成へ移行させる計画です。
東京駅周辺で進む「常盤橋プロジェクト」のような大規模都市再開発も手がけており、歴史的な街並みを変えるスケールの仕事に携われる環境があります。
清水建設への入社前に知っておきたい3つのリスク
会社が自ら挙げているリスクを、働く側の視点から3つに整理しました。
ひとつ目は「法令対応の複雑さ」。 建設業は建設業法・建築基準法・労働法令・環境法令など多くの規制を受ける業界です。社員一人ひとりにも法令を守る高い意識が求められ、違反があった場合の業績への影響は大きいです。
ふたつ目は「工事費上昇のリスク」。 前の期に損失を出した主な原因の一つが、資材費・労働費の上昇でした。これは清水建設だけでなく建設業界全体の構造的な課題で、今後もコスト管理が業績を大きく左右します。
みっつ目は「海外展開に伴うリスク」。 北米拠点を中心に海外比率を高める方針ですが、為替変動・各国の制度変更・地政学的なリスクが業績に影響する可能性があります。
清水建設に向く人・向かない人
向く人の特徴
- 建物・橋・道路など「作ったものが形に残る仕事」に価値を感じる
- 20代から腰を据えてキャリアを積みたい(平均勤続16年)
- チームで大きなプロジェクトを動かすことが好き
- 再生可能エネルギーや省エネ建築など、社会課題に関わる仕事をしたい
- 長期的に高い年収(平均1,012万円)を目指したい
気をつけたい人の特徴
- 数年単位で会社・職種を変えてキャリアを広げたい
- 勤務地が固定されていることを重視する(現場職は全国・海外へ転勤が生じやすい)
- 施工管理職を希望するが、現場主導の働き方に対してイメージが固まっていない
転職で入る場合は「どの職種・ポジションか」によって働き方が大きく異なります。中途採用の難易度・採用人数は会社が公表している情報では確認できないため、転職エージェントへの相談が現実的です。
総括:清水建設の年収・将来性・働き方から見えてくるもの
清水建設の年収は約1,012万円と高水準で、平均勤続16年というデータが示すように、長く働くことで年収が積み上がりやすい環境が整っています。
業績は前の期の損失から今期のV字回復へ。再生可能エネルギー・省エネ建築・次世代まちづくりといった成長領域への投資を進めており、「建設だけ」ではない事業構造への転換が本格化しています。
一方で女性管理職比率4.9%という現状はダイバーシティという観点でまだ発展の余地があり、施工管理職を中心に現場主導の働き方の厳しさも業界全体として残る課題です。「安定した高年収を長期で手にしたい」「社会インフラや都市づくりに携わりたい」という方は、転職エージェントや採用説明会で詳細を確認してみてください。



